2021/1/22
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宇宙空間でも気候変動? 宇宙の不思議 |
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2020年10月、 宇宙空間の気温が80億年前に比べ 約3倍上昇していることが、 オハイオ州立大学の宇宙研究機関 「宇宙学・宇宙船物理学センター」率いる 研究グループにより発見された。 当該研究には、 ジョン・ホプキンス大学、マックスプランク宇宙 物理学研究所に加え、 日本からも東京大学の国際宇宙研究機関 「カブリ数物連携宇宙研究機構」が参加。 研究内容の詳細は、 2020年10月12日、宇宙物理学の専門誌 「The Astrophysicl Journal」の電子版に 掲載された。 ![]() テレビの映像で宇宙飛行士がふわふわ浮かんだ 様子を目にしたことがあるという人は多い事だろう。 宇宙飛行士がこのように宙に浮いた状態になるのは、 宇宙空間に空気が存在しないためである。 気温とは読んで字の如く「空気の温度」を指すが、 空気の無い宇宙空間には「気温」という概念 そのものが存在しない。 これは裏を返せば、 宇宙では寒暖が原因で不快な気分を味わうことが ないということを意味するかもしれない。 ところが、 宇宙の温度は「3K(ケルビン=摂氏-270度) であると言われている。 (ちなみにケルビンは絶対温度表す)。 宇宙空間には空気の概念がないはずなのに、 これはどういうことかと言うと、 物質が温度を持つとは、 科学的にその物質を構成する分子や原子が 運動しているということを指す。 つまり「物質内の分子や原子の 運動エネルギーの値=温度」であり、 分子や原子が激しく動けば動くほど、 温度が上昇するということになる。 また、温度と電磁波との間には相関があり、 温度が下がると、 電磁波の波長が長くなるという 関係性が成り立つのであり、 宇宙の温度3Kは宇宙に存在する 電磁波から導き出された数値である。 ちなみに、 宇宙から届く宇宙マイクロ波背景放射と 呼ばれる電磁波は 1965年、米国の通信研究所で働く物理学者が 発見し、ノーベル物理学賞を受賞している。 さて、本題に戻ると、 オハイオ州立大学の研究グループによると、 宇宙の大規模構造におけるガスの平均温度は 過去80億年間で約3倍の200万ケルビンに 達しているという。 ここで、宇宙の大規模構造とは、 銀河(銀河団を含む)が宇宙において どのように分布しているかを示す構造を指し、 初期の宇宙において重力の影響で物質の分布に 不安定性が生じることにより形成されたものである。 宇宙の進化と共に、 物質やガスを銀河に引き込む力が生じるわけだが、 この物質やガスを銀河に引き込む過程において 熱が生じる。 そして、 この時に生じる熱は宇宙の平均温度を知る上での 指標となり得る。 今回、 オハイオ州立大学の研究グループは、 スニヤエフ・セルドバッチ効果の手法を用いて 宇宙の気温の計測を試みた。 ![]() スニヤエフ・ゼルドパッチ効果とは、 宇宙マイクロ波背景放射の低エネルギーの 光子が大規模構造の熱電子により 散乱される時に見られる現象を指す。 この散乱過程を通して、 エネルギーは電子から光子へと移動し、 熱電子ガスが可視化される。 スニヤエフ・ゼルドパッチ効果の強度は ガスの熱圧力、 つまり電子の温度に比例する。 そこで宇宙の気温の変化を確かめるために、 銀河(銀河団を含む)周辺の熱圧力の量を測定。 その結果、 約80億年における電子の平均温度が 70万ケルビンに対し、 今日では約200万ケルビンと約3倍の開きが あることは判明。 その原因について、 研究者らは宇宙の大規模構造における ガスの衝突に伴う熱の生成が関係していると 結論を下している。 ![]() 1990年代以降、 地球温暖化の問題が深刻化しているのは 周知の通りだ。 1990年代以降、 地球の気温は上昇傾向にあり、 22世紀には地球全体の気温が3度上昇、 日本国内でも夏の気温40度越が当たり前に なるとも言われている。 地球温暖化の最大の原因は世界人口の 増加に伴う経済稼働の増大にあるとして 国連でも指摘されているが、 はるか遠くの宇宙で起きている現象が 地球温暖化の一因として結びついている 可能性も考えられ得る。 宇宙というマクロレベルでの追及が 気候変動の問題解決のヒントを 与えてくれるかもしれない。 (Beauty&Ecoone参考) 1喧嘩はするな、 2意地悪はするな、 3過去をくよくよするな、 4先を見通して暮らせよ、 5困っている人を助けよ、 あなたなら出来ます応援しています |
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