2024/7/5

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なぜ人間関係で「悩む人」と

「悩まない人」がいるのか…

精神科医が「これを知れば悩まずに済む」と

説く3分類 他人を恨むのも、

自分を責めるのも、もったいない

 
 
 
 
なぜ私たちは人間関係に悩むのか。
 
精神科医の西脇俊二さんは
 
「人によって『自己重要感』を満たすポイントは異なる。
 
 
 
そうしたタイプの違いを知っていれば、
 
他人を恨んだり、
 
自分を責めたりすることは避けられる」という
 
 
 

 

人間の個性は「3つのタイプ」に分けられる

 

精神科医として多くの方に知っていただきたい知識に、

基本的な「人の3タイプ」があります。

 

私が長年役立てているタイプ分類です。

 

 

人間の個性は、

①パーソナリティ重視タイプ、

②パフォーマンス重視タイプ、

③ブランド重視タイプに大別できます。

 

 

タイプ分類を知っておくメリットは、

「相手の自己重要感を満たしやすくなる」ことです。

 

 

自己重要感は、

人に必要とされたり、頼られたり、共感されたり、

承認されたりといった経験によって高まります。

 

人は基本的に、

自分の自己重要感を満たしてくれる人を大切にし、

その人の意見やお願いを聞いてくれやすくなります。

 

以下、

三つのタイプの人物像と、

自己重要感を満たす方法を紹介します。

 

 

①パーソナリティ重視タイプ
 

人と接するときは人柄重視、物を選ぶときは品質重視
・信頼や愛情など、「目に見えないもの」に価値を置く
・穏やかな物腰の、気配りの人
・ただし、信念に反することは断固受け入れない
 

〈自己重要感を満たすには〉
 

・人柄を褒める、気配りに感謝する
・話を聞き、共感し、理解者になる
・誠実さと温厚さを前面に出す
・裏表のある人を嫌うので、ほかの人々にも誠実に接する
 
 

②パフォーマンス重視タイプ
 

最短で最大の成果を目指す
・成績や実績、財産など「目に見えるもの」に価値を置く
・「自分への投資」に熱心
・明確で無駄のない話し方をする。ときに辛辣になることも
 

〈自己重要感を満たすには〉
 

・相手と同じく、なるべく無駄なくテキパキと話す
・「デキる人」であることを褒める
・空虚なお世辞は逆効果。成果を出したときにその事実を端的に評価するのがコツ
 
 
 

③ブランド重視タイプ
 

・権威、権力、地位などに価値を置く
・自由にふるまえることが幸せの源
・身振り手振りが大きく、エネルギッシュで行動力がある
・人に仕切られたり、コントロールされたりするのは嫌い
 

〈自己重要感を満たすには〉
 

・「すごい」「素敵」といった派手な言葉で褒める
・人前で褒めると効果倍増
・「さすが○○さん、ちょっと違うね」など、「あなたは特別」と感じさせる
・接している間は、相手のペースに合わせる
 
 

以上を踏まえ、まずは身近な人から、

相手が喜ぶ接し方を実践してみてください。

 

 

 

 

物事を進めるときの「動機」の違い

 
 

「周囲の人を思い浮かべたけれど、

3タイプにうまく当てはまらない」という感想が、

きっと出てくると思います。それもそのはずです。

 

 

どんな人も、

「100%このタイプ」になることはありません。

 

たとえば、誠実で穏やかな基本はパーソナリティ重視タイプの人が、

自分の学歴を内心誇っているなどの

「ブランド要素」も持っている、

といったことはいくらでもあります。

 

誰の中にも、

三つのタイプが混ざり合っています。

 

その中でどの要素が強いか、

と考えていくのが正解です。

 

次に紹介する「リスク/ホープ」というタイプ分けにも、

同じことが言えます。

 

これは、物事に向かうときの動機の違いです。

これは実は結構大きなポイントです。

 

 

リスク型は、

「○○になったら怖いから、○○しよう」というふうに、

危険回避が動機になるタイプ。

 

対してホープ型は、

「○○できたらいいことがある!

 頑張ろう!」と、

希望がエンジンになるタイプ。

 

 

こちらも、「100%リスク型」

「100%ホープ型」の人はめったにいません。

 

図表1のように、

二極の間で「リスク寄り」

「ホープ寄り」のどこかに位置付けられます。

 

 

「リスク型」と「ホープ型」
 
 
 
 
 

さらにもう一つ、

「フィックス/フレックス」というタイプ分けを紹介しましょう。

 

 

図表2に載せたこの分類法は、

 

人間関係づくりの有効なヒントになります。

こちらは前の二つと違い、

「フィックスか、フレックスか」に、

かなり明確に分かれます。

 

 

フィックスにもフレックスにも複数の特徴がありますが、

皆さんに注目していただきたいポイントは、

「本音と建前」に対する、両者の対照的な姿勢です。

 

 

「フィックスタイプ」と「フレックスタイプ」
 

 

 

フィックスタイプの人は、

本音と建前がくっきりと分かれています。

自分の考えを言うとき、

「これは本音」「これは建前」と、

頭の中で線を引いています。

 

 

フレックスの人は反対に、

本音と建前の境界が曖昧で、

広いグレーゾーンがあります。

 

発している言葉が本音か建前か、

自分でもあまりわかっていない、

というより、そもそも明確にする必要を感じていません。

 

 

フィックスの人は、

ともするとフレックスの人に対して

「どこまで本気なの?」「いい加減な人!」と

不信感を抱きます。

 

逆にフレックスの人は、

フィックスの人を否定的に断じることはまれです。

持ち前の曖昧さが、

ここでは幸いしているようです。

 

 

 

人間関係で悩まないための秘訣

 
 

以上、いくつかのタイプ分析を紹介してきました。

相手の自己重要感を満たす手がかりが、

少しつかめたでしょうか。

 

3タイプごとの接し方は、

すでに述べた通りです。

 

 

「リスク/ホープ」に関しては、

相手に「頑張ってほしい」ときに活用できます。

 

部下や後輩、パートナーや子供など、

自分が応援している人のモチベーションを上げたいときは、

相手がどちらのタイプかを考えましょう。

 

たとえば、

大学受験を控えた子供を持つ親御さんの場合。

 

ホープタイプの子供なら、

「受かったら、車買ってあげる!」など、

相手が楽しみに思うようなことを言うのが正解です。

 

対して、リスクタイプなら「受からないと大変だよ。

 

浪人はさせてあげられないよ」と、

危機感に訴えるのが(少々気の毒ですが)効果的です。

 

 

では、

「フィックス/フレックス」についてはどうでしょうか。

 

 

とくにフィックスの人が注意すべきは、

フレックスの人をむやみに断罪しないこと。

「こういう人なのだ」と認めることを意識しましょう。

 

この両者は近しい間柄になると――

とくに恋愛関係では、

何かと軋轢が起こります。

 

 

フィックスさんが「愛してるって言ったよね? 

あれはウソ⁉️」と怒る。

 

フレックスさんが「いやぁ、

気が変わることもあるじゃん……」と火に油を注ぐ。

 

 

そんな修羅場が、しばしば展開されるのです。

 

もちろん、

この場面でフィックスさんが傷つくのは当然です。

気持ちを押し殺して平気な顔でいましょう、

とは言いません。

 

しかし、別れてから何年経っても、

「あの人は悪い人だった」

「あんな人を信じた私ってバカ」と

思い続けているとしたら?

 

 

相手を恨むのも、自分を責めるのも、

悩む時間がもったいありません。

 

そこは「あの人、

フレックスだったんだなー」で済ませたほうが、

ずっとラクです。

「良い・悪い」で考えないことは、

人間関係で悩まないための重要な秘訣です。

 

 

 

ここまで登場したすべてのタイプに、

「良い・悪い」の差はありません。

あるのは、単なる「違い」だけです。

 

 

 

西脇俊二『繊細な人をラクにする「悩み時間」の減らし方』(KADOKAWA)
 

「パフォーマンスタイプってガメツそう」

「ブランドタイプって俗っぽい」

 

「ホープタイプって能天気」

「リスクタイプってネガティブ」

 

「フレックスって不誠実」

「フィックスって融通が利かない」などと、

自分と異なるタイプをジャッジしないことが大切です。

 

 

「合う・合わない」は、当然あります。

 

合わないから距離を取ることもあるでしょう。

 

それも、「どちらが悪いから」ではなく、

ただ「違った」ということです。

善悪でもなく、優劣でもなく、

異なる個性として存在を認める。

 

 

このフラットな視点を持てれば、

前稿でご紹介したスキル

「期待しない」にも大いに効果があります。

 

 

 

<参考:精神科医西脇俊二> 
 
 
 

1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、

 

 

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