成功を引き寄せる「グリット」とは?
理想の人生をつかむ「8つの方法」
私たちはしばしば、人の成功をその人の知性、
才能、特権、あるいは運によるものだと考える。
これらの要因が重要な役割を
果たしていることは間違いないが、
その一方で「グリット(Grit、やり抜く力)」と呼ばれる、
あまり知られていない資質が、
理想の人生をつかむために不可欠な役割を果たしている。
グリットの概念は、
心理学者のアンジェラ・ダックワースによって、
「長期目標に向けた情熱と忍耐力の独特な組み合わせ」
として紹介された。
要するに、
それは障害に直面しても前進し続ける能力のことだ。
2023年の研究で明らかにされた、
グリットを使って目標を達成するための8つの方法を、
研究に裏付けられた形で紹介しよう。
1. SMARTな目標を立てる
達成可能性が高い目標とは、
具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、
達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、
期限付き(Time-bound)の頭文字をとった
「SMART」な目標だ。
たとえば、
明確な期限と明確な目的を持つことは、
漠然とした目標のイメージを持つことに比べて、
パフォーマンスを向上させる。
さらに、
目標の難易度を適切に選ぶことが重要だ。
研究によると、
挑戦的(しかし手の届かない程ではない)な目標の方が、
簡単な目標よりも効果的であることが示されている。
グリットがあれば、
他人が恐れるような野心的で長期的な
目標に取り組むことができる。
2. 持続的な注意力を発揮する
人間である以上、
気が散ってしまうのは仕方がないが、
目標に関連する活動に注意を集中させることで、
目標達成度を高めることができる。
目標をより小さく管理しやすい部分に分割し、
質の高い休息の時間を設けながら、
一度に一つのステップに集中することで、
注意力を持続させ、
疲れ果てたり圧倒されたりすることを
避けることができる。
2017年の研究によると、
目標達成プロセスの初期段階ではサブ目標に、
終盤では大目標に集中することで、
モチベーションを維持することができるという
注意力の短期間保持の練習をすれば、
徐々に長期間保持ができるようになり、
目標達成のために事前に特定の時間を
割り当てることができるようになる。
グリットの特徴は、
長期間にわたって課題への興味を
持ち続けることでもある。
自分が興味を持つ目標に集中したり、
目標を達成するプロセスを新しい方法で
行ったりすることで、
常に気を抜かず、
関心を持ち続けることができる。
3. 事前に計画を立てる
丁寧でグリットを持つ人は、
計画性、規律、細部へのこだわりを必要とする
仕事で成功することが多い。
研究によると、
効果的な戦略を立て、
事前に計画を立てることで、
目標達成が容易になることが示されている。
このことは、
プロセスの中で起こりうる困難への
対処法を準備することにもなる。
目標を達成するには、
時間や資金といった資源も必要だ。
「グリットを持つ」とは、
自分を成功に導くために、
これらのリソースを得るための
賢明な方法を考え出せることなのだ。
4. 恐怖に直面しても粘り強くあり続ける
動機付けの期待理論によれば、
ある目標に向かって努力することが、
パフォーマンスの向上や、
やりがいのある結果につながると信じられれば、
人は動機付けられる。
これらの予想される利益と目標の難易度に基づいて、
どれだけの努力を投資するかを決める。
しかし、
タスクの難しさばかりに注目しすぎると
(特に自分にはできないのではないかと疑問に思う場合)、
やる気をなくし、
先延ばしにしてしまいがちだ。
失敗への恐怖から、
最初から始めるのが怖くなることもある。
先延ばしと戦い、
グリットを発揮するには、
とにかく続けることが大切だ。
2021年の研究では、諦めず、
一時的に中断しても目標達成に戻ることができれば、
持続的な目標追求が可能になると提案されている。
研究者らは、
そのためには気が散る要因を取り除き、
リマインダーを活用し、効果的な計画を立て、
目標達成に向けた習慣を形成することが
役立つと述べた。
目標達成には時間がかかり、
成功への道のりは一直線ではないことを
忘れてはいけない。
それには障害やためらいの瞬間が伴う。
グリットを身につけるには、
失敗を挫折ではなく成長の機会と捉え、
それが良い結果につながるようにすることが必要だ。
グリットを発揮すれば、
心地がよいが生ぬるい場所から一歩踏み出し、
リスクを取り、
不確実性を受け入れる覚悟ができる。
これらはすべて成功に不可欠な要素なのだ。
5. コミットメントを新たに保ち続ける
研究によると、
目標をどれだけ大切に思い、コミットするかが、
目標に注ぐ努力の量と、
当然ながらその結果に影響を与えることが
示唆されている。
目標がどれほど価値があり意味のあるものかを
理解できれば、
目標を優先させ、
追求するモチベーションがより高まる。
グリットのある人は、
最初の興奮が薄れても、
目標に揺るぎないコミットメントを持ち続ける。
これこそが彼らを特別なものにしている部分なのだ。
6. 自分自身を信じる
自己効力感とは、タスクを達成し、
目標を達成する自分の能力への信念を指す。
自己効力感が高いほど、挑戦的な目標を設定し、
それを達成するために努力する可能性が高くなる。
2019年の研究で、
自己効力感によってスキルを習得したいという
欲求が高まり、
他者よりもうまくタスクを達成しようとすることで
自分の能力を示そうとする意欲が高まることが
明らかになった。
これにより、失敗への恐れが減り、
自信を持って目標を追求できるようになる。
7. 支援者のネットワークを頼る
自分を信じ、
自分の価値を認めてくれる人々に囲まれることも重要だ。
彼らもグリットを発揮し、
互いに励まし合えるコミュニティの一員であれば、
なお良いだろう。
さらに、
積極的にフィードバックを求め、
それに対処する人は、
必要な軌道修正を行い、
パフォーマンスを最大化する可能性が高い。
8. 節目を祝う
小さな勝利を一つ一つ祝い、
障害に直面しても自己肯定をすることで、
それらを乗り越えられるという信念が強化され、
自信につながる。
生まれ持った才能や知性にも一定の役割はあるが、
グリットこそが私たちを成功への道を
持続させる原動力なのだ。
たとえ自然に身につかなくても、
明確で挑戦的な目標を設定し、
集中力と粘り強さを維持することで、
グリットを育み向上させることができる。
<参考:心理学者のアンジェラ・ダックワース>
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