ニュースレター

2025年 11月 1日発行









アドラー心理学の基礎
その14アドラーの子育て革命
『ほめるより感謝せよ』
対等な関係を築く魔法の言葉






「ほめるのではなく、
感謝しなさい」
子育てを変える魔法の言葉



「ほめるのではなく、感謝しなさい」

この言葉に初めて出会ったとき


私は戸惑いました。





子育てでは「ほめて伸ばす」ことが


良いとされているのに

なぜアドラーは「ほめるな」と言うのか。





38年間の教育現場での経験を重ねる中で


この言葉の深い意味が徐々に見えてきました。




一般的に「ほめる」ことは


良いことだと考えられています。



「すごいね!」
「よくできたね!」
「頭がいいね!」





こうした言葉で子供を励ますのは


愛情のある親や先生の自然な行動です。




しかし、アドラーはそこに潜む


問題を指摘しています。



「ほめる」という行為は、

実は

「評価する人(上)」と「評価される人(下)」という


上下関係を作ってしまいます。





ほめる人は審判のような立場に立ち


相手を判定しているのです。




これは対等な人間関係とは言えません。




一方、「感謝する」ことは


対等な関係の中で行われます。



「ありがとう」
「助かったよ」
「嬉しいな」



これらの言葉には上下関係がありません。


お互いが人間として


尊重し合っている関係なのです。



教育現場では


この違いを実感する場面が多くありました。





ほめられることに慣れた子供は


ほめられないと行動しなくなったり

ほめてくれる人の前でだけ


良い行動を取ったりする傾向があります。





具体的な例で考えてみましょう。

子供が食器を片付けてくれた時


多くの親は

「えらいね!」
「良い子だね!」とほめるでしょう。



しかし、アドラー流なら



「ありがとう、助かったよ」

「片付けてくれて嬉しいな」と


感謝を伝えます。



この違いは大きいのです。




ほめられた子供は


「良い子だと言われるために」

片付けるようになります。




しかし、感謝された子供は


「家族の役に立てて嬉しい」という気持ちで


片付けるようになります。


動機が全く違うのです。




「ほめる」ことの問題点は


もう一つあります。



それは、ほめる基準が


大人の価値観に基づいているということです。



「100点取ってすごいね」
「一番になって偉いね」



これらの言葉は




点数や順位を重視する


大人の価値観を子供に押し付けています。




しかし、感謝は違います。



「勉強している姿を見ていて、私も嬉しくなったよ」


「最後まで諦めずに取り組んでいて、すごいなあ」



これらの言葉は


結果ではなく


過程や姿勢を認めています。





子供の努力そのものに価値を置いているのです。




夫婦関係でも同じことが言えます。



「料理上手だね」


「仕事頑張ってるね」というほめ言葉より



「美味しい料理をありがとう」


「いつも家族のために

働いてくれてありがとう」という


感謝の言葉の方が





相手を対等なパートナーとして


尊重していることが伝わります。




職場でも同様です。

「君は優秀だね」という評価より



「いつも丁寧な仕事をしてくれてありがとう」


「チームのために協力してくれて

感謝している」という感謝の方が



相手を同じ仲間として


認めていることが表現されます。




感謝の言葉が持つ力は


相手の存在価値を認めることにあります。




ほめ言葉は条件付きです。

「良いことをしたから」


「成果を出したから」ほめられるのです。




しかし、感謝は無条件です。



その人がそこにいてくれること


その人が何かをしてくれることに対する


純粋な喜びなのです。




また、感謝は


相手の内発的動機を育てます。



ほめられるためではなく


誰かの役に立ちたいという気持ちで


行動するようになります。



これは長期的に見て


はるかに健全で持続可能な動機です。




親子関係において


この感謝の習慣を身につけるのは


それほど難しいことではありません。



子供が何かをしてくれた時、まず


「ありがとう」から始めてみてください。



そして、その行動が


どんな風に役に立ったかを


具体的に伝えてみてください。




「部屋を片付けてくれてありがとう。

おかげで気持ちよく過ごせるよ」


「宿題を頑張ってくれてありがとう。

君が勉強している姿を見ると、私も嬉しくなる」


「妹の面倒を見てくれてありがとう。

君がいてくれて本当に助かっている」



こうした感謝の言葉は、子供に



「自分は家族の一員として役に立っている」


「自分の存在には価値がある」ということを


実感させてくれます。



そして、その実感が


子供の自己肯定感と協調性を育てていくのです。



もちろん、

感謝の気持ちは言葉だけでなく


態度や行動でも表現できます。



子供の話を最後まで聞く


子供の気持ちに共感する


子供の努力を認めるまなざしを向ける。





こうした非言語的な感謝の表現も


子供の心に深く響きます。



大切なのは


感謝の気持ちが本物であることです。



形だけの「ありがとう」では


子供にも見透かされてしまいます。



本当に助かったこと
本当に嬉しかったこと
本当に感謝していることを



素直に伝えることが大切です。




アドラーのこの言葉は


子育てだけでなく


すべての人間関係に応用できる智慧です。





相手を評価するのではなく


相手に感謝する。



その視点の転換が

より温かく
より対等で
より持続可能な関係を築いてくれるのです。




今日、あなたの周りにいる人たちに


何か感謝できることはありませんか?



その感謝の気持ちを言葉にして伝えてみてください。



きっと、

関係に新しい風が吹くはずです。





この「ほめるより感謝」の考え方は、

すべての人間関係を温かくします。


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<参考: くうあい>




1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、





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