2020/12/13

八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑧

 

八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑧

 八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑧
 
諏訪湖を満たす水の原点、霧ヶ峰と水神社
 
 
 
 
 
 
去る11月10日に気象庁が発表した
冬季予報によると、
 
今年はラニーニャ現象の影響により、
平年より気温が低くなる傾向にあると
言われている。
 
そうなると諏訪湖には「御神渡り」という
現象が起きるのではないかと、
 
地元の人たちは期待しているようである。
 
御神渡りというのは冬季の寒冷地で、
湖面に一部盛り上がった氷堤が見られる現象で、
 
以前は諏訪湖に良く現れていた。
 
御神渡り現象かどうかを判断するのは、
諏訪大社上社摂社である八剣神社で、
 
そのせり上がり方で吉凶を占う神事も
行なわれていた。
 
だが近年は暖冬ということもあり、
見送りが続いている。
 
 
 
 
 
 
ちなみに諏訪湖には周辺の約30数河川が
流れ込んでいて形成されている湖であるが、
 
逆に諏訪湖から流れていく川は一本しかない。
 
それが天竜川である。
 
そのように諏訪湖はこの地に住む
人々にとって心の拠り所であり、
 
上から見ても龍神の形をしている聖なる湖と
捉えられているのであるが、
 
その原点の水は大半が霧ヶ峰から
流れてくる。
 
 
 
 
 
 
以前、八島湿原をご紹介したが今回も同じ
八ヶ岳中信高原国定公園内にある
「水神社」をご紹介したい。
 
白樺湖からビーナスラインに入り、
晩秋の車山を抜けると十字路に出る。
 
右手に霧ヶ峰自然保護センターがある広い
駐車場があるので、
 
そこに車を停めて
反対側にある園路を歩いていくと、
左手に木でできた鳥居が見える。
 
そこが水神社である。
 
 
 
 
 
気を付けて見ていないと通り過ぎて
しまいそうなくらい何もない場所で、
 
地元の人でも知っている人がさほど多くない。
 
だが実はこの水神社は2016年に公開され、
ブームを巻き起こした
映画「君の名は」に出てくる、
 
口かみ酒を奉納した
場所のモデルではないかと
言われている。
 
新海誠監督は長野県南佐久郡の
生まれとのことなので、
 
この周辺に詳しいのだと思われる。
 
が、
 
それにしてもこの地を選んだ
新海誠かんとく監督は、
天からインスピレーションを
受けたのではないかと
思わずにはいられない。
 
というのも、
 
この水神社一帯は言葉ではなかなか
言い表せないほどのエネルギーに
満ちているからである。
 
 
 
 
今回、
敏感な友人と共に訪れたのだが、
その地に着くなり泣き出してしまった。
 
心の底から湧き上がる不思議な感覚と、
天から吹き抜ける温かく強いエネルギーに、
 
くらくらしてその場に崩れてしまったほどでした。
 
 
水神社の周辺に諏訪湖へ流れる川はない。
 
しかし鳥居を一歩入るとごつごつした
岩場の中は、
 
一面ふわりとした苔に覆われている。
 
八島湿原と同じく、
 
この地下には水があることが理解できる。
 
霧ヶ峰~車山一帯はビーナスラインに沿って
岩場の無い乾いた地だが、
 
実は近年になって整備された後であり、
本来はこの水神社周辺のように、
 
火山活動の形跡を思わせる岩場である。
 
そして縄文期にその岩場から
発掘されたのが黒曜石で、
 
この地は黒曜石の古里なのである。
 
ちなみに黒曜石は
矢じりなどが有名であるが、
一説によると矢じりは
「とあるものの副産物」
と言われている。
 
その「とあるもの」とは、
なんと「八尺只鏡」。
 
古代の人々は黒曜石にわが身を映し、
そこに神を見たのである。
 
2020年も残りわずか。
 
コロナ禍を発端に激動の時代へと突入し、
誰もが先への不安や恐怖に包まれた
1年でした。
 
しかもアメリカ大統領選を皮切りに、
来年は世界的に一層揺さぶられること
もあるだろう。
 
それでも私たち日本人は、
わが身の中にある神の存在を思い出し、
 
古代の人々のように心穏やかに
新たな年を迎えたいものです。
 
 
 
 
 
 
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
 
 

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