2021/3/24

火星で作物は育つのか、宇宙の不思議

 

火星で作物は育つのか、宇宙の不思議

 
 
火星で作物は育つのか?宇宙の不思議
 
 
 
火星の表面はとにかく赤い。
 
その赤い輝きから、
ローマの軍人マースに因んで
 
「マース(Mars)」と名づけられた。
 
地球を見た時の一声が
「地球は青かった」なら
 
「火星は赤かった」が妥当であろう。
 
中国の古代哲学によると、
 
世界は「木」「火」「土」「金」「水」
の5つの要素から成る。
 
火星はその構成要素の1つである
火の惑星であることに由来する。
 
 
 
なぜ火星が赤いのかと言うと、
その表面が鉄さびで覆われているためだ。
 
1976年、
バイキング探査機が火星の成分を
詳しく分析した結果、
 
赤褐色の正体が二酸化第二鉄などの
鉄の酸化物、
 
すなわち鉄サビであることを突き止めた。
 
 
 
さらに火星には微量ではあるが、
空気が存在する。
 
地球と比べると、
その量は100分の1以下。
 
その95%は二酸化炭素だ。
 
火星は平均表面温度が
マイナス60度と超低温であり、
 
大気中の二酸化炭素が凍って
ドライアイスとなり、
 
極冠と呼ばれる氷の層が降り積もる。
 
 
 
そんな火星において今、
 
緑化運動の機運が高まっている。
 
研究者らいわく、
火星の土壌で植物が育つことは
可能であるという。
 
ただ、
問題なのは堆積物のサンプルが
乏しいという点に尽きる。
 
現在、
世界中の大学や研究所が
火星での栽培を想定した実験を 
進めている。
 
例えばオランダの
ヴァーヘニンゲン大学の
研究グループは、
 
トマトやライ麦、大根、えんどう豆、
ネギ、ほうれん草、ルッコラ、
ガーデンクレス、キヌア、チャイブ
の合計10種類の野菜を
火星の土壌で栽培可能である
ことを証明。
 
ただし、
これはあくまでも地球上にある
火山から採取した土で
 
火星の環境を再現した上での
実験に過ぎず、
 
気温や宇宙放射線による影響が
考慮されていない。
 
また土壌には鉛や、ヒ素、水銀、鉄
など、
 
人体に有毒な重金属が含まれている。
 
食べられるかどうかは
別問題であるという。
 
 
また、
セントラル・フロリダ大学を筆頭とする
研究グループでは、
 
レタスや雑草(シロイヌナズナを含む)
を火星で育てるための研究プロジェクト
が進行中だ。
 
使用した土壌サンプルは、
火星の表面を覆う玄武岩を
模した人工物ないし天然素材。
 
同大学が出した見解によると、
レタスだけでなく、
 
雑草でさえも栄養分を追加せずに、
火星の土壌で育てることは困難で
あるという。
 
 
 
この地球上には作物の栽培に
適した場所とそうでない場所が
あるように、
 
作物の栽培に適した土壌は、
火星全体において均一に
広がっていない。
 
フロリダ工科大学の
アンドリュー・パルマー准教授は
 
これを受け「火星は多様な惑星である」
と言及している。
 
 
 
さらに、
ジョージア大学の博士研究員らは、
火星の表面上の堆積物を模した
ものを製作。
 
そして、
火星の土壌は極めて
塩分濃度が高いうえ、
 
滋養物の含有が著しく少ない
ことを明らかにした。
 
つまり、
火星の土壌単体では作物の栽培には
適さないということである。
 
したがって、
火星移住計画の一環として
作物の栽培を考えた場合、
 
野菜の種を撒く前に、
あらかじめ土を肥やすという
準備段階が必要ということになる。
 
江戸時代において人間の糞便が
野菜の成長を促すのに使用された
ことからも分かるように、
 
特定の細菌は植物の成長に対して
プラスに作用し得る。
 
ただし、
地球と火星の環境が異なる以上、
細菌が晒され得るストレスを感じても
異なってくるためだ。
 
今後、
細菌が火星で受け得る
ストレスについては、
 
一つ一つ検証する必要があるだろう。
 
 
 
このように、
火星で食物を育てるという事になると
課題が山済みだ。
 
とはいえ、
人類の火星移住計画の夢が
着実に近づいていると言えるだろう。
 
なにより火星での農業に関する
知恵を絞ることは、
 
ひいては持続可能な地球の未来の
創造を助けることにも繋がる。
 
火星について詳しく知ることは、
より住みよい地球にするための
過程でもあるのだから。
 
 
 Beoneコラムより
 
 
 
 
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
 
 

あなたなら出来ます応援しています