去る9月13日、UFO研究家らが
「ミイラ化した宇宙人の遺体」と主張する
2つの標本をメキシコ議会で公開した。
このニュースは世界中で報道された。
この件に関しては、この記事でも紹介したとおりだ。
ガラスケースに“安置”されて
公開された2体の標本は、
細長い頭部を持ち、
両手には3本の指がある。
ペルーのクスコで発見されたもので、
およそ1000年前のものと推定される。
この公開は有名なUFO研究家である
ハイメ・マウサン氏主導で行われた。
「1000年前の宇宙人のミイラ」というには
あまりにも損傷がなく、
ある意味人々の「宇宙人実在願望」どおりの
形状であったため、
「これって本物なの?」と思う人は多かったはずだ。
ハイメ・マウサン氏。
マウサン氏は(ミイラの)
DNAの約3分の1が未知 (の成分)であり、
標本は 「地球上における進化の一部ではない」とコメント。
メキシコ政府やアメリカ代表らへの
プレゼンテーションで、
「2体はUFOの墜落から回収されたものではない」
「珪藻土(藻類)鉱山で発見され、
その後化石化したもの」と説明した。
マウサン氏らの主張に対し、
科学の専門家からの批判的意見は多かったが、
マンチェスター大学(イギリス)の
物理学教授であるブライアン・コックス氏もその一人。
Sky Newsは、
「(標本を本物の宇宙人というには)あまりにも
人間的すぎる」
「別の惑星で進化した知的生命体が私たち
(人間)に似ている可能性は非常に低い」
というコックス氏のコメントを紹介している。
TVプレゼンターとしても活躍する、
ブライアン・コックス教授。
こうした批判を受け、
9月18日、
メキシコ海軍の保健科学研究所所長
ホセ・デ・ヘスス・ザルセ・ベニテス医師を
始めとする専門家チームがこの
「ミイラと思われる標本」の臨床検査を行った。
Metroによると、この検査の結果、
遺体は単一の骨格でできており、
(異なる人や動物の骨を使って)組み立てられものではないことが判明したと
ベニテス氏は「頭蓋骨が組み立てられたり、
操作された証拠はない」と語っている。
加えて、驚きの発見もあった。
2体のミイラ(クララとマウリシオと命名されている)
の内「クララは妊娠していた可能性が高い」というのだ。
Daily Mailによると、
検査チームは「ミイラをスキャンしたところ、
クララの腹部には大きな塊(しこり)があり、
卵である可能性がある」との見解を述べている。
本物であれば世紀の大発見であるが、
マウサン氏とベニテス医師には実は
「黒歴史」がある。
2015年、
ペルーのナスカ近くで発見された別の
ミイラ化した遺体について、
2人は「宇宙人のものである」と主張した。
しかしその後の検査により、
このミイラは人間の子どもの
遺体であることが判明している。
今回の2体の「宇宙人ミイラ」の騒動は、
これで終息する気配はない。
今後の調査の行方にも注目したい。
信じるも信じないもあなた次第だ。
<参考:宮田華子>
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