2024/5/27

コーヒー習慣で血管が若返る⁉ 全身を巡る「デリバリーシステム」 血流と美容の関係

 
 
 
 
 
 

コーヒー習慣で血管が若返る⁉

全身を巡る「デリバリーシステム」

血流と美容の関係

 

 

私たちの体には、

網の目のように血管が張り巡らされています。

 

全長約10万kmともいわれる血管は、

おもに動脈・静脈・毛細血管に分けられ、

酸素や栄養、老廃物の運搬をおこなっています。

 


血管と血流は生命維持に欠かすことのできない

「デリバリーシステム」です。

 

しかし食生活の乱れや加齢などにより血管が衰え、

冷え性や肌荒れだけでなく、

重篤な病気を引き起こすケースも少なくありません。

 


一方「コーヒーを飲むことで血管の健康を改善する」

といった研究結果が、

国内外で数多く報告されています。

 

美容と健康に欠かせない血管とコーヒーの関係、

作用するコーヒー成分について深堀りしてみましょう。

 

 

 

 

 

 

血液循環とは全身へ酸素と栄養を

届け老廃物を回収する

「デリバリーシステム」

 
 

血液循環には酸素と栄養を全身の細胞へ届け、

二酸化炭素や老廃物を回収する「体循環」と、

回収した二酸化炭素を肺に送り、

酸素と交換する「肺循環」のふたつがあります。

 


心臓から送り出された血液が、

再び心臓へ戻る時間は約30秒です。

血液循環は私たちの健康を保つ

高速デリバリーシステムといえるでしょう。

 


 

血管の衰えが引き起こす

健康への悪影響

 
 

血管は内側から、

内膜(内皮細胞)・

中膜(平滑筋と弾性線維)・

外膜(結合組織)

の3層構造です。

 

動脈は壁が厚く、静脈は壁が薄く柔らかで、

血液の逆流を防ぐ弁がついています。

 

血管は加齢とともに衰え、

血液の流れが悪化し、冷えやむくみ、

目のかすみなど、さまざまな不調をもたらします。

 


また食生活の乱れにより、

悪玉コレステロールなどの脂質が血管にたまることで、

血管壁が狭く、詰まりやすい状態となります。

 

動脈硬化が進むことで、

心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を

引き起こすことも少なくありません。

 

 


健康的な血管を維持するためには、

こまめな水分補給や運動、

バランスの良い食生活が挙げられます。

 

また、

近年の研究によると毎日のコーヒーが

血管機能を改善し、

血流を促すことが報告されました。

 


 

1杯のコーヒーが血管機能を改善⁉

カフェイン摂取による血流促進作用とは

 
 

琉球大学 筒井正人教授の研究によると、

コップ1杯のコーヒー摂取により、

75分間かけて血管機能が30%改善する

との報告が挙げられています。

 

 

また広島大学 山路貴之氏らの研究においては、

同大学の健康診断を受けた高血圧患者を

対象とした調査がおこなわれました。

 

コーヒー摂取の習慣がある患者と、

ない患者の血管を比較※1したところ、

コーヒー摂取の習慣がある人は

内皮機能障害※2となる確率は45%低く、

血管平滑筋機能障害※3となる確率は

50%低いことが認められました。

 

 


そのほか国内外の研究により、

コーヒー習慣による血管の健康向上が示唆され、

さらなる研究が進められています。

 


※1:2016年4月〜2021年8月

広島大学にて健康診断を受けた

高血圧患者462人が対象

 

年齢・性別・BMI・収縮期血圧・脂質異常症・

糖尿病・心血管疾患・喫煙習慣を考慮して分析


※2:冷え性や動脈硬化などに関与する

※3:冷え性や肩こり、更年期障害などに関与する

 

 

 

コーヒー習慣で血管が

若返るといわれる理由

 
 

コーヒーにはポリフェノールやカフェイン、オリゴ糖など、

私たちの健康に良いといわれる成分が

豊富に含まれています。

 

 

コーヒーポリフェノールはクロロゲン酸と呼ばれ、

さまざまな生理活性をもつ成分です。

 

クロロゲン酸を継続的に摂取することによって、

内臓脂肪の低減や血圧降下、

皮膚の乾燥緩和などの効果が認められています。

 


カフェインにおいては、

眠気覚ましなどの興奮作用が広く知られています。

 

「コーヒーがないと仕事がはかどらない!」

という方も多いのではないでしょうか。

 

カフェインは、アドレナリン分泌を促す成分です。

 

アドレナリンとは闘争・集中モードに

切り替えるホルモンであり、

心拍数とともに血流がアップします。

 

これらのコーヒー成分作用は

血管をしなやかに保ち、

血行を促すことで健康を

維持するといえるでしょう。

 

 

 

うるツヤ肌の秘訣は血液にあり?

血流と美肌の関係

 
 

心臓から送り出される血液には、

細胞に必要な酸素や栄養が豊富に含まれています。

 

一方、体の中を循環した血液は、

各細胞が出した不要物を受け取り心臓へ戻ります。

 

しかし冷えやストレスなどにより、

これらの血流デリバリーシステムが滞り、

肌に影響を与えることも少なくありません。

 


皮膚はおもに3つの層に分けられます。

 

肌の表面から

表皮・真皮・皮下組織(脂肪)があり、

真皮は肌に弾力をもたせる

コラーゲン・エラスチンのほか、

毛細血管が豊富に存在します。

 

血行不良などにより血液が毛細血管に

行き渡らない状態では、

コラーゲンやエラスチンを作る細胞の

機能が低下してしまうでしょう。

 

また、

血行不良は老廃物の回収遅延を招き、

ニキビやくすみなどを引き起こすため注意が必要です。

 

 

 

 

 

毎日のコーヒー時間で

血管も心もしなやかに

 
 

コーヒー成分のもたらす血管への有効性は、

国内外の研究で数多く報告されています。

 

慌ただしい日常の中、

冷えた指先を

HARIOのガラス製マグカップ 

温めながら、

ひと息つくコーヒータイムはいかがでしょうか。

 

 

1杯の温かいコーヒーは血流を促し、

健康的な体と心、

美しい肌へと導いてくれるかもしれません。

 

 

 

<参考:美容医療ライター 城戸香>