2024/6/2

スーパーでふつうに買える 「世界一の栄養密度」を誇る野菜とは!?

 
 
 
 
 

スーパーでふつうに買える

「世界一の栄養密度」を誇る野菜とは!?

 
 

 

さわやかな香りと辛味がメイン料理

引き立ててくれる、クレソン。



外食でクレソンを目にする機会はあっても、

ふだんの食事ではあまり食べないという方も多いでしょう。

 

 



そのためクレソンの栄養についても、

考えたことのないかたがほとんどかもしれません。



しかし意外にも、

クレソンの栄養価は優れています。



そこで今回は、

あまり知られていないクレソンの栄養や

効能について、詳しく解説していきます。

 



食べるときの注意点や、

オススメレシピもご紹介しますので、

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

クレソンの栄養と効能

 

クレソンは、アメリカ疾病予防管理センターの

機関誌で「果物と野菜の栄養密度スコアランキング1位」

を獲得するほど栄養が豊富です。

 



そんなクレソンにどのような栄養が

詰まっているのか、

さっそく見ていきましょう。

 



●健康にも美容にも嬉しい「β‐カロテン」
クレソンには、β-カロテンが豊富に含まれます。

 



β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれる成分で、

クレソンも緑黄色野菜の1種です。

 



ではクレソンにどのくらいのβ-カロテンが含まれるのか、

ほかの緑黄色野菜と比較しながら見てみましょう。

 



<β-カロテン(μg)/100gあたり>
クレソン  :2700
ピーマン  :400
トマト   :540
ブロッコリー:900
かぼちゃ  :1400
ほうれん草 :4200
にんじん  :6900

 



このようにβ‐カロテンを含む野菜の代表格である

にんじんと比べると、

クレソンの含有量は少ないです。

 



しかしその他の野菜を含めて全体的に見ると、

クレソンに含まれるβ-カロテンは多めだとわかりますね。



なおβ-カロテンには、

活性酸素の働きを抑える役割があります。

 



活性酸素とは免疫機能などに関わる、

通常よりも活性化した酸素のことです。

 



しかし活性酸素が過剰になってしまうと

細胞が傷つき、

動脈硬化や老化のリスクが高まるのです。

 



過剰となった活性酸素の働きを抑え、

取り除く働きのあるβ‐カロテンは、

健康にも美容にも嬉しい栄養素といえますね。

 

 



●骨の健康に欠かせない「カルシウム」


クレソンには、

骨や歯の構成に欠かせないカルシウムも含まれます。

 



どのくらいの含有量なのか、

 

先ほどと同様ほかの緑黄色野菜と

比べながら見てみましょう。

 



<カルシウム(mg)/100gあたり>
クレソン  :110
ピーマン  :11
トマト   :7
ブロッコリー:50
かぼちゃ  :20
ほうれん草 :49
にんじん  :28

 



ここに記載されている緑黄色野菜のなかでは、

クレソンのカルシウム量が際立って多いとわかりますね。




●辛味のもととなる「シニグリン」


クレソンの辛味は、

アリルイソチオシアネート

(アリルカラシ油)によるものです。



このアリルイソチオシアネートのもととなる成分

のことを「シニグリン」といいます。



なお、

アリルイソチオシアネートの

働きは次のとおりです。

 



・殺菌効果
・防腐効果
・消化促進

 



したがって消化促進作用のあるクレソンを

肉料理の付け合わせにするのは、

栄養面でも理にかなっているといえます。

 



ちなみにクレソンをすりつぶしたり刻んで食べると、

より消化促進の効果が高まります。

 



食べすぎてしまったときなど、

胃が重いと感じるときにはクレソンを活用するとよいでしょう。

 

 

クレソンは熱に弱いって本当?

 
 
熱湯やスープを使った電気コンロのエナメルスチールクッキングパンの女性の手開き蓋、キッチンで暖かい日差しで照らされた風光明媚な蒸気蒸気。家庭用台所用品と家庭用具

 

 

クレソンは加熱しすぎると、

くたくたになってしまいます。



ゆえにクレソンの食感を楽しみたいかたは、

生で楽しむとよいですね。




●加熱によって栄養価は下がるのか


クレソンを加熱すると熱に弱いビタミンなど、

一部の栄養素が減るでしょう。

 



また加熱方法によっても、

栄養価の下がり具合に差が出るとわかっています。

 



たとえばクレソンをゆでると、

水に溶けやすい栄養素の損失が大きいです。

 



同じ加熱でも蒸す場合は、

ゆでたときよりも水に溶けやすい栄養素は減りにくいですよ。



なお加熱によるシニグリンの変化については、

クレソンを使った著名な研究は見つかりませんでした。



参考までに、

クレソンと同じくアブラナ科の野菜である

「からし菜」の研究結果を紹介します。

 



・からし菜はゆで時間が長くなると、

シニグリンの損失が大きくなる。



・からし菜を蒸す場合は、

シニグリンの損失が少ない。



クレソンに含まれるシニグリンも、

からし菜の研究結果と同じことがいえそうですね。

 

 

クレソンを食べるときは寄生虫に注意

 
 

クレソンには、

肝蛭(かんてつ)という寄生虫が

ついている場合もあります。

 



肝蛭という言葉に聞き覚えのあるかたは

少ないかもしれませんが、

意外と身近な場所に存在しています。

 



牛などの糞に含まれた肝蛭の卵は、

水田や小川などで貝に寄生するのです。



貝の中で成長したのち水中に出てきて、

水辺の植物であるクレソンにくっつきます。

 



クレソンにくっついている肝蛭を除去するには、

よく洗うことが大切です。



肝蛭は洗えば落とせるので、

必ずしも加熱する必要はありません。

 



よく洗えば、

生のクレソンでも安心して召し上がれますよ。

 

 

【管理栄養士オススメ】

クレソンを使ったレシピのご紹介

 
 

クレソンの辛味とさわやかさを活かした

「クレソンと豆腐のサラダ」をご紹介します。

 



メイン料理の付け合わせといったイメージのある

クレソンですが、

たまにはクレソンそのものの魅力を

堪能してみてはいかがでしょうか?

 



<材料~2人前~>
・クレソン 1束
・豆腐 1/2丁
・炒りごま 小さじ1
・塩 少々
・こしょう 少々
・醤油 小さじ1
・ごま油 大さじ1

・レモン汁 小さじ1/2

 



<作り方>


(1)クレソンを水で洗う。
(2)水気を切ったクレソンは2cm幅に切る。
(3)ボウルにクレソン、炒りごま、塩、こしょう、

  醤油、ごま油、レモン汁を入れて混ぜる。


(4)食べやすい大きさに切った豆腐の上に

(3)をかけたら、完成。

 


クレソンの特筆すべき栄養素は、次のとおりです。



・β‐カロテン
・カルシウム
・シニグリン

 



クレソンは、

アメリカ疾病予防管理センターの機関誌で

「果物と野菜の栄養密度スコアランキング1位」

を獲得するほど栄養が豊富です。

 



ご紹介したレシピも参考に、

メイン料理の添え物としてだけでなく、

クレソンそのものを楽しんでみてくださいね。

 



それでは当記事が、

クレソンを食べるきっかけとなれば嬉しいです。

 

 

 

<参考:>