2025/1/14

ポジティブな会話を実現する方法を 行動科学研究者が指南  カギは「ワニ脳・サル脳・ヒト脳」 をどう使うか 「さんざん文句を言う人が 相手でもまずは話を聞こう」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ポジティブな会話を実現する方法を

行動科学研究者が指南 

カギは「ワニ脳・サル脳・ヒト脳」

をどう使うか

「さんざん文句を言う人が

相手でもまずは話を聞こう」

 
 

私たちの脳は、生物進化の歴史を映し出す

3層構造をしている。

 

 

最も基礎となる部分は生存本能を司り、

爬虫類と同じような機能を持つことから

「ワニ脳」と呼ばれる。

 

 

その上には感情を扱う「サル脳」、

さらには人類特有の論理的思考を可能にする

「ヒト脳」が重なっている。

 

 

 

 
 
 
 
 

人との出会いや会話の場面で、

この3層は瞬時に反応し、

相手との関係性の方向性を決めていく。

 

 

その決定的な瞬間が、

まさに最初の出会いの時なのだ。

 

 

ワニ脳を活性化させずに、

トゲなく人を動かす他者と生きる術に迫った

『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』

 

 

 

教えてくれた人:

レーナ・スコーグホルム

(Lena Skogholm)さん

 
 
 
 

行動科学の研究者。

 

 

 

会話は「はじめ方」に

大きく影響される

 
 
 

音楽のニュアンスが出だしのフレーズで決まるように、

最初に相手の心をつかめれば、

そのあとのメッセージもポジティブに受け取ってもらえる。

 

また、

基本となる適切なトーンで会話をすれば、

その交流は好ましいものになる。

 

 

あなたは、

会話をどんなトーンにしたいだろうか? 

あなたが最初にトーンのスイッチを入れよう。

 

 

非言語のコミュニケーションを思い出してほしい。

これは伝染力がとても強い。

 

 

その交流がどうなるかは、

どんなトーンのスイッチが入るかで決まる。

 

よいスタートを切るには、

度を越えない程度のポジティブな言葉を

選ぶことが大切だ。

 

 

妙になれなれしい言い方をすると、

相手はかえって警戒してしまう。

 

 

会話の出だしにどんなトーンのスイッチが入るかは、

自分がその状況をどうとらえているかや、

そのときの心の状態にも影響される。

 

 

たとえば、

あなたが時間ぎりぎりに息

 

 

を切らしながら会議室に飛び込んだとしよう。

 

間違いなく、

あなたが感じているストレスは、

ほかの出席者に伝染する。

 

 

では、

その会議に出るのが不安でびくびくしていたら? 

 

その気持ちも、

やはり伝染する。こんなときは、

3~5回深呼吸をしてみよう。

 

そうすれば脈拍数が減って、

身体が自然に落ち着いてくる。

 

 

 

 

 

相手が腹を立てているなど厄介な状況なら、

3つの脳(ワニ脳、サル脳、ヒト脳)が

求めるものを満たすには

どうすればいいかを考えよう。

 

 

状況をコントロールできるとわかれば、

ストレスも減るからだ。

 

 

また、

論理的にものを考えることにも、

気持ちを鎮める効果がある。たとえば、

 

「相手の態度に応じてワニ語とサル語を使おう」

と自分に言い聞かせる。

 

その状況を筋道立てて考えれば、

冷静になれる。

 

 

会話の方向は、あなた次第だ。

 

あなたが発するあらゆる言葉が、

方向を決める──ポジティブな方向にも、

ネガティブな方向にも、

その中間にも。

 

 

ポジティブなスタートを切ると、

たいていはポジティブな結果になる。

 

逆に、

ネガティブなスタートを切ると、

会話は苦戦を強いられるだろう。

 

 

日常的な会話や会議などで、

あなたはどんなスタートを切りたいだろうか? 

 

ポジティブなスタートを切るには、

最初の発言や態度がきわめて重要だ。

 

自分からどんなシグナルが送られるか、

自分のふるまいがどう受け取られるかを意識しよう。

 

 

 

 

何度も言うように、

私たち人間は、他者から注目され、承認され、

理解されることを求めている。

 

それが満たされてはじめて、

集団に属しているという感覚が生まれる。

 

これは人間にとって、

なくてはならない感覚だ。

 

相手に伝染させたいトーンを選んだら、

今度はその相手に意識を集中しよう。

 

こちらが敵ではないことを示そう。

 

つまり、

その人の言葉に耳を傾け、

その話を親身になって聞くのだ。

 

 

 

 

 

そして、

相手に共感を示す発言をしよう。

 

なぜなら、

自分が注目され、理解されていると感じると、

人はガードを解くからだ。

 

こちらが敵ではないとわかれば、

相手はもう心配しなくていいと感じる。

 

 

この場合、何が伝染したのだろうか? 

 

それは「あなたは私にとって重要な人だ。

 

だから、

私はあなたの話を聞く」という気持ちだ。

 

相手は、その気持ちをそっくり受け取る。

 

 

人は自分の話を聞いてもらうと、

そのお返しに相手の話を聞こうという気になるものだ。

 

以前、こんなことを言った人がいる。

 

「あの人にとって、私は存在しないのと同じ。

私って透明人間みたい」。

 

 

相手に共感し、

その人を思いやる言葉や態度を示せば、

相手は透明人間ではなくなる。

 

 

その結果、

自分も透明人間ではなくなって、

相手に見えるようになる。

 

 

相手の発言がポジティブであれネガティブであれ、

それを否定しないで理解する姿勢を見せよう。

 

その言葉を受け入れよう。

 

  

さんざん文句を言う人や、

頭に血がのぼっている人を前にすれば、

 

不安やストレスを感じて当然だ。

 

こんなとき、

こちらは守りの姿勢に入って自己弁護したり、

釈明したりしたくなる。

 

でも、その罠に落ちてはいけない。

 

まずは相手の話を聞こう。

その問題が何であれ、理解を示そう。

その姿勢が相手にも伝染する。

 

 

逆にあなたが守りを固めると、

その姿勢が相手に伝染し、

相手も同じように守りを固めてしまう。

 

 

相手が「理解されている」

「耳を傾けてもらっている」と

感じてはじめて、

 

双方がその会話をポジティブなやり取りだと

思えるようになる。

 

相手に共感して、それを示そう。

自分と会う前にその人に何があったか、

どんな日を過ごしていたのかはわからないのだから。

 

たいていの場合、相手の話は、

あくまでも相手の主観にもとづいたものだ。

 

その人が世の中をどう見ているか、

どう解釈するか、

情報をどう判断しているかが表れたものに過ぎない。

 

 

そのとき、

その人はワニ脳かサル脳、

あるいはヒト脳のうちのどれかのモードにある。

 

どのモードかは、

その人の話をじっくり聞けばわかる。

 

 

つまり、

会話をポジティブなものにするには、

相手と同じ立場で考える必要がある。

 

その問題に別のやり方で取り組みたいと思っても、

相手の話をちゃんと聞かなければ、

よい会話にはならない。

 

 

相手の立場からはじめないと、

相手に信頼されて会話を進めることはできない。

 

 

 

 

あいては人か 話が通じないときワニかもしれません
 
あいては人か 
話が通じないときワニかもしれません