2025/12/26

カエルの腸内細菌が 強力な抗がん作用を 発揮して腫瘍を消失 させることを日本の 研究チームが発見

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

カエルの腸内細菌が

強力な抗がん作用を

発揮して腫瘍を消失

させることを日本の

研究チームが発見

 
 
 

 

合谷(ごうこく):大腸経のツボ

 

 



世界中の研究者が「がん」の

治療方法を模索する中で、

 

腸内細菌とがんの関係性が

注目されています。

 

新たに、

日本の北陸先端科学技術大学院大学

研究チームが、

 

は虫類や両生類の腸内細菌が強力な

抗がん作用を発揮することを突き止めました。

 

 


近年は腸内細菌をがん治療に応用する

試みが注目を集めています。

 

2021年には、

がん免疫療法の効果がない患者に対し、

適切な腸内細菌を投与することで

患者の免疫反応を改善し、

 

病状の安定や腫瘍の縮小が認められたとの

研究結果も報告されています。

 

また、国立がん研究センターなどの

共同研究グループは2025年、

 

がん免疫療法の治療効果を高める

新しい腸内細菌を発見したと報告しました

 

 


そこで、

北陸先端科学技術大学院大学・

物質化学フロンティア研究領域の都英次郎教授の

研究チームは、

 

ニホンアマガエルアカハライモリ

ニホンカナヘビなどのは虫類や両生類から、

45株の腸内細菌を分離しました。

 



これらの細菌株を系統的に

スクリーニングしたところ、

9株が抗腫瘍効果を示しました。

 

ヒト大腸がんの主要な特徴を再現した

マウスに対し、

 

これらの細菌を投与して治療効果を評価した結果、

 

1株では抗腫瘍活性を検出できませんでしたが、

5株では有意な腫瘍増殖の抑制効果が示され、

3株では腫瘍増殖の抑制効果と

腫瘍退縮効果の両方が確認されました。

 

 


中でもニホンアマガエルの腸内から単離した

Ewingella americanaという細菌は、

 

マウスに1回投与しただけで腫瘍が完全に消失し、

検査で確認できなくなったと報告されています。

 

これは、記事作成時点の標準治療として

採用されている免疫チェックポイント阻害薬や

化学療法を大きく上回る治療効果です。

 

 


Ewingella americanaは低酸素状態の

がん組織に集積し、

 

がん組織を直接破壊する「直接的殺傷効果」と、

免疫系を強力に刺激してT細胞やB細胞、

好中球などの免疫細胞をがん細胞に

集結させる「免疫活性化効果」の両方を示しました。

 

 

 

 

 

 


Ewingella americanaは、

がん組織に選択的に集積する一方で

正常組織には定着しないという、

 

腫瘍特異的な集積メカニズムを持っているとのこと。

 

これには、

「がん組織特有の低酸素環境」

「がん細胞が発現するタンパク質による

免疫抑制環境」

 

「がん組織には血管が多く細菌が侵入しやすいこと」

「細菌の選択的増殖を支援するがん特有の

代謝産物」など、

さまざまなメカニズムが複合していると考えられます。

 



また、

Ewingella americanaは血中から

24時間後に完全に除去されたほか、

 

肝臓・脾臓(ひぞう)・肺・腎臓・心臓などの

正常な臓器には一切定着せず、

 

引き起こされる軽度炎症反応は

一過性で72時間以内に正常化するなど、

 

優れた安全性プロファイルも示しました。

 

60日間の長期観察でも、

マウスに対する慢性的な

毒性はみられなかったとのこと。

 



研究チームは「本研究により、

天然細菌を用いた新しいがん治療法の

可能性が実証されました」と述べ、

 

今後は他のがん種への

適用拡大や投与方法の最適化、

 

併用療法の開発などを

進める予定としています。

 

 

<参考:都英次郎教授>