くも膜下出血の前兆となる症状とは?
Medical DOC監修医が
くも膜下出血の前兆となる症状・予防法や何科へ
受診すべきかなどを解説します。
気になる症状がある場合は
迷わず病院を受診してください。
「くも膜下出血」とは?
くも膜下出血とは、
脳の表面の血管が破れて出血してしまい、
くも膜下腔というスペースに
出血が拡がった病気です。
発症の原因のほとんどは
脳の動脈にできた瘤(こぶ):脳動脈瘤の破裂です。
脳動脈瘤が存在するだけでは
何も症状はありません。
しかし一度破裂すると、
出血によって髄膜が刺激され、
経験したことのない頭痛や嘔吐、
脳が圧迫されることによる意識障害、
麻痺などの神経障害を引き起こします。
くも膜下出血は、
発症した人の1/3は死亡し、
1/3は何らかの後遺症が残り、
残る1/3だけが社会復帰できるという、
非常に重篤な病気です。
受診すべき診療科は脳神経外科です。
原因となっている血管の位置によって、
開頭手術やカテーテル手術などが適応になります。
くも膜下出血の前兆となる症状
頭痛
くも膜下出血の最も代表的な症状として、
頭痛があります。
くも膜下出血が生じた場合、
経験したことのないような
「突然、バットで殴られたと
感じるような強い頭痛」が特徴的です。
しかし、
このくも膜下出血に先立って起こる、
「警告頭痛」というものがあります。
警告頭痛(warning headache)は
突然に発症し、
持続時間は1〜2日とされていますが、
人によっては数分〜2週間と個人差も大きいです。
頭痛といっても、
頭全体だけではなく、
首の痛みを自覚する場合もあり、
痛む場所にも個人差があります。
この警告頭痛は、
くも膜下出血の原因になる脳動脈瘤からの
少量の出血が原因とされています。
これから説明するくも膜下出血の
前兆となる症状に対して、
対応は全て同じですのでここで説明いたします。
このような症状が生じた際は、
本人は横になるなどできるだけ安静にした上で、
周囲の方が救急要請であったり
病院へ連れて行くようにしてください。
超緊急というわけではありませんが、
できるだけ早く受診する必要があります。
専門科は脳神経外科です。
吐き気・嘔吐
くも膜下出血の前兆となる症状としては、
吐き気・嘔吐もあります。
これも先の頭痛で説明した、
脳動脈瘤からの少量の出血が
原因となることが多いです。
先の頭痛と合わせて出現することも多いです。
少量の出血が髄膜を刺激することで、
吐き気・嘔吐を引き起こします。
ご自身で我慢するのは非常に危険ですので、
すぐに医療機関を受診しましょう。
意識状態の悪化
くも膜下出血の前兆となる症状として、
意識状態の悪化もあります。
具体的にいうと、
こちらの問いかけに答えられない・
的外れな返答をする、自分の名前が言えない、
日付がわからない、
目を開けないといったものがあります。
これも脳動脈瘤からの出血が原因です。
対応は前述と同じですので省略いたします。
視力障害
くも膜下出血の前兆として、
視力障害もあります。
具体的に言うと、
片側の目が失明する、
全体的に見えづらくなる、
まぶしくてよく見えない、
ものが二重に見えるといった症状があります。
これは脳動脈瘤ができた部位によって
分かれます。
特に動眼神経という眼球を動かす
神経の近くに脳動脈瘤ができた場合は、
ものが二重に見えるという症状が出やすいです。
動脈瘤自体が動眼神経を圧迫していたり、
出血による影響が出る場合もあります。
どのパターンの視力障害にせよ、
突然発症して頭痛も伴うといった
状況であれば緊急性は高いです。
早急に救急要請して
脳神経外科医のいる病院へいきましょう。
血圧の変動
くも膜下出血の前兆として、
血圧の変動があります。
普段の血圧の値よりも非常に高くなったり、
逆に低くなったりという状態です。
くも膜下出血では、
血圧が非常に高くなると
脳動脈瘤からの再出血が起こる
可能性が上がり、非常に危険です。
そのため血圧は低い方が
良いということになります。
緊急性と救急要請などの対応は
これまでと同様ですが、
普段から血圧を下げる薬を飲んでいる方は
可能であれば追加内服をしておきましょう。
しかし、
基本的には医療機関で
治療するのがベストですので、
これはなかなか搬送先が見つからない、
医療機関まで時間がかかる、
といった時の応急処置と考えてください。
すぐに病院へ行くべき
「くも膜下出血の前兆」
ここまではくも膜下出血の
前兆となる症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際には
すぐに病院に受診しましょう。
突然の強い頭痛の2回目が
見られた場合は、救急科へ
先述の前兆症状である
強い頭痛から時間を空けて、
再び症状がでた場合を指します。
この場合、
脳動脈瘤からの再出血という
可能性が考えられます。
再出血を起こした場合、
非常に予後(病状についての今後の見通し)は悪く、
致死率も非常に高くなります。
そのためこれまで紹介してきた
前兆症状があった際も基本的には
緊急で受診する必要がありました。
このような症状が見られた際は、
すぐその場で救急要請してください。
一刻を争う事態です。
受診・予防の目安となる
「くも膜下出血の前兆」の
セルフチェック法
・頭痛症状がある場合
・吐き気・嘔吐症状がある場合
・視力障害がある場合
くも膜下出血の前兆となる
症状を予防する方法
脳ドック、生活習慣の見直し
くも膜下出血の多くは、
脳動脈瘤破裂によるものです。
今回は脳動脈瘤破裂をどうすれば
予防できるかと言う点について説明します。
まず、
脳動脈瘤がご自身にあるかどうか、
またその動脈瘤は破裂リスクが高いのか、
という点を調べる必要があります。
脳動脈瘤そのものには自覚症状はありませんので、
検査で探しに行く必要があります。
おすすめは脳ドックです。
MRI検査で首から頭の先まで検査して
主に頚部から脳への血管を調べます。
もし脳動脈瘤が指摘され、
手術ではなく様子を見るという方針になった場合は、
破裂リスクを抑えることが重要です。
破裂リスクは高血圧や喫煙、
アルコール過剰摂取などが報告されています。
禁煙やお酒の量を控えることは
有効な予防法になります。
また普段から血圧を記録するようにして、
基準値より高い値が続くようであれば
内服薬で治療しましょう。
食事では、
バランスの良い食事を心がけるのは当然ですが、
特に塩分量に注目してください。
日本人の平均的な和食を食べると、
基本的に塩分は過剰になっており
高血圧につながります。
普段より薄味を心がけましょう。
<参考:文= 中川 龍太郎>
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
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