2024/3/14
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「記憶」に深く関わるニューロン発見、 脳の治療や書き換えに繋がる可能性 |
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「記憶」に深く関わるニューロン発見、脳の治療や書き換えに繋がる可能性最近の研究で、 私たちがどのように連想記憶を 発達させるかについての手がかりが見つかった。 これは、 アルツハイマー病などの記憶を損なう 疾患に苦しむ人々にとってとても 有益な可能性がある。 ここでは、彼らの発見を分析し、 これが近い将来再生医療の文脈で どのように利用され得るかを提案する。 私たちの記憶の大部分は、 非連想的だ。私たちは、人であれ、 場所であれ、物であれ、 特定の対象に関する記憶を思い出し、 その対象をある程度詳細に頭の中に 思い浮かべる。 連想記憶はより深いレベルの記憶だ。 特定の匂いが子どもの頃の 旅行の記憶を呼び起こしたり、 名前を聞いて特定の人と過ごした 時間を思い出したりするのは連想記憶だ。 つまり、 私たちの主観的な経験によって 結びつけられた2つの概念が 結びついたものだ。 これらの複雑な繋がりは どのようにして作られるのか? 何十年もの間、 脳の記憶の中心が海馬であることは 知られていたが、 連想記憶の背後にある メカニズムは大部分研究されてこなかった。 ドイツのフライブルク大学の ルカス・クンツ博士とその同僚らが、 最近の『Nature』に発表した研究によると、 内側側頭葉の特定のニューロンが 人間の連想記憶と高い 共活性を持つことがわかった。 つまり、 2つの異なる物体の間に 連想記憶を確立するとき、 私たちは繰り返しの相互作用を通して その記憶を学ぶ。 電車で向かい合って座っていた人の 顔を覚えることができないのは、 それだけでは十分な刺激にならないからだ。 内側側頭葉の特定のニューロンが その人の顔を見ることを 処理するために活性化するが、 その記憶は海馬に刻み込まれない。 しかし、 数週間あるいは数カ月にわたって 毎日その人に出会っていれば、 それらのニューロンは定期的に 同じデータで刺激され、 記憶が作られる。 連想的に、 電車に座っていたことを思い出すと、 その人の顔も思い浮かぶかもしれないし、 その逆もあり得る。 連想記憶が呼び起こされると、 記憶の形成時に最初に刺激された ニューロン活動が、 海馬の活動とともに再び活性化される。 この脳波パターンは、 しばしば睡眠中の回想の 瞬間に引き起こされる。 クンツ博士らは、 記憶課題に参加する被験者を モニタリングすることによって、 この共活性化を明らかにした。 参加者は仮想環境で8つの物体と その位置を覚えるように求められた。 最初の記憶作業中に、 研究者らは内側側頭葉で 有意な局所活動を観察した。 その後、 被験者に物体とその場所を思い出す 課題を与えたところ、 内側側頭葉の同じニューロンが 脳波の海馬の活動と同時に発火した。 さらに研究者らは、 参加者が回想を繰り返すにつれて、 そのニューロンや海馬活動の 活動とともに記憶能力が向上する ことを指摘した。 これは、 特定の記憶に対する慣れとともに、 神経活動が強化することを示唆している。 再生医療に関しては、 この研究は多くの異なる方向に 私たちを導くことができる。 まず第1に、 この研究は、記憶喪失をもたらす 神経変性疾患や外傷への 理解を深めることにつながるだろう。 加齢にともなう記憶障害は、 高齢の米国人の約40%に 影響を与えており、 その多くはアルツハイマー病などの 疾患に進行する。 ニューロンを標的とした刺激により、 おそらく一部の記憶喪失は予防したり、 回復させたりすることもできるかもしれない。 第2に 「脳=機械インターフェース」の観点から、 この研究はより高度な神経補綴物 (神経系の入力または出力を補完するように 設計された医療機器) の開発につながる可能性があり、 記憶障害のある人に 治療効果をもたらす可能性がある。 3つ目は、 おそらくこの3つの中で最もSF的なものだが、 人工的な記憶の開発や記憶の 改変が考えられる。 もし個人が厄介な記憶を忘れたいと思えば、 その重荷から解放されるだろうし、 誰かが新しい経験をしたいと思えば、 人工的な記憶を事実上 追体験できるかもしれない。 かつては不可能だと思われていた これらのアイデアも、 日に日に実現可能性が高まっている。 この分野のさらなる研究を 非常に楽しみにしている。 なぜなら、 それが再生医療と私たちが知る 人間の経験に大きな影響を 与える可能性があるからだ。 |
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