2024/7/11
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断食が免疫系の ナチュラルキラー細胞を 強化して「がん」への 攻撃性を高めることが判明 |
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断食が免疫系のナチュラルキラー細胞を強化して「がん」への攻撃性を高めることが判明
脂質を使って免疫細胞による攻撃を 免れる能力があることがわかっています。
マウスを使った新しい研究により、 断食をしたマウスの体内では、 免疫系の細胞が脂質に強くなるよう トレーニングを受けていることが突き止められました。
断食は人の代謝を改善して脂肪を 減らすのに役立つだけでなく、 がん細胞の成長に必要な栄養素の 供給を絶ってがん治療の効果を 高める方法としても注目されつつあります。
さらに、 2024年6月14日付けの医学雑誌・Immunityに 掲載された今回の研究では、 断食によって免疫細胞の能力が最適化され、 体の免疫機能が腫瘍を排除する仕組みが 強化される可能性が示されました。
アメリカ・メモリアルスローンケタリング がんセンターのジョセフ・サン氏は 「がんの腫瘍は非常に飢えており、 栄養素を吸収しては免疫細胞にとって 有害な脂質まみれの環境を作り出します。
今回私たちは、 断食がナチュラルキラー(NK)細胞を 再プログラムし、 そのような環境でも生き残れるように することを明らかにしました」と述べました。
サン氏が言及したNK細胞は、 がん細胞やウイルスに感染した細胞を殺す 能力を持つ白血球の一種で、 一般的に腫瘍内に存在するNK細胞の数が多いほど、 がん患者の予後がいい傾向があります。
週2回の頻度で24時間絶食させる一方で、 断食ではない時は好きなだけ 食事ができるようにしました。
そうすることでマウスの体重は維持されましたが、 NK細胞には大きな変化がありました。
人間と同様にブドウ糖の濃度が低下し、 エネルギー不足の際に脂肪細胞が 放出する代替エネルギー源である 遊離脂肪酸が増加しましたが、 絶食によりNK細胞はこの遊離脂肪酸を エネルギー源にするようになったとのこと。
「断食のサイクルを繰り返す度に、 NK細胞はブドウ糖の代わりに 脂肪酸を燃料源にすることを学びました。
腫瘍には高濃度の脂質が含まれていますが、 このトレーニングのおかげで腫瘍に入り込んだ NK細胞がより長く生き延びられるように なったのです」と話しました。
研究チームはまた、 断食が体内の免疫システムを最適化 することも突き止めました。
マウスが断食すると、 NK細胞の多くが骨髄に移動し、 そこで骨髄の細胞が作る インターロイキン-12という シグナル伝達タンパク質にさらされましたが、
これによりNK細胞は抗がん反応に重要な サイトカインの一種であるインターフェロンγを より多く産生できるようになったとのこと。
NK細胞は脾臓(ひぞう)にも移動しており、 そこで脂質を燃料源にするようトレーニングを受けました。
NK細胞が骨髄と脾臓に分かれて それぞれの場所で別々のトレーニングを受けるのか、
時間をかけて両方でトレーニングを 受けるのかはまだ不明ですが、
研究チームはマウスと同様に人間でも 絶食が骨髄にも脾臓にも行かず体内を漂う 遊離NK細胞を減らすと考えています。
絶食と標準的ながん治療を併用した場合における 安全性と有効性を検証する臨床試験が始まっているほか、
将来的にはこのメカニズムを再現する 薬剤の開発も進められるかもしれません。
また、患者自身が断食しなくても、 患者のNK細胞を体外で断食状態にして 再投与するという方法も考えられます。
がんと断食に関する研究はまだ始まったばかりなので、 専門家は患者がいきなり絶食を始めたりしないよう 注意を呼びかけています。
メモリアルスローンケタリングがんセンターの研究者で、 今回の研究には直接携わっていない ニール・アイアンガー氏は、
「断食にはさまざまな種類があり、 有益なこともあれば有害なこともあります。
ですから、 患者は自分にとって何が安全かつ健康的かについて 医師とよく話し合ってください」と述べました。
<参考:> 1喧嘩はするな、
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