2024/9/4
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瞑想は「脳の筋トレ」。 使った分きちんと休ませて 自分と向き合う時間が、 人生にもたらすもの |
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瞑想は「脳の筋トレ」。使った分きちんと休ませて自分と向き合う時間が、人生にもたらすもの
スマホがある生活がスタンダードとなった現代人は、 情報の波にのまれマルチタスクばかりをこなしている。
そんな多忙なマインドと心をリセットできると話題の瞑想とは? 俳優のMEGUMIさんや高橋メアリージュンさんも通う 瞑想スタジオ『suwaru』でニーマルメソッド ®認定講師として活躍する篠田るみさんに、 瞑想が仕事や人間関係に影響を与える理由や、 瞑想を習慣化するコツについて深掘りした。
瞑想は「脳のトレーニング」──瞑想はいつごろ生まれたものなのですか? 瞑想の歴史について教えてください。
瞑想は、 人類が生まれた時からあるものだと言われています。
と言うのも、瞑想とは「状態」のことなんです。
「五感がシャットダウンされて意識が内側に向いている。
今、この瞬間に気がついている」状態です。
これは胎児がお母さんのお腹の中にいる時と 同じだと言われています。
五感はないけれど、 意識はもう芽生えていて、とても穏やかな状態です。
歴史的に残っている文献の話で言うと、 5000年前のインド・ネパール地域で 発祥したとも言われています。
今から約5000年前に書かれた ヴェーダ思想の教典に瞑想のことが記されており、
約2500年前に、 ブッダが瞑想を練習し仏教とともに 広め始めたという歴史があります。
日本では平安時代のころに伝わり、 中世以降は「禅」という形で広まっていきました。
そして1970年代にマサチューセッツ大学の ジョン・カバット・ジン博士が、 西洋医療に瞑想を取り入れました。
それまで瞑想は宗教やスピリチュアルに近い イメージを持つ人が多かったのですが、
実際に医療の臨床に取り入れたことで 効果が科学的に実証され、 宗教とは切り離されてツールとして活用され始めました。
近年はスポーツ選手や ヨガ愛好者だけでなく、
ビジネスパーソンでも瞑想に 関心を寄せている人が増えていますね。
2000年代にアメリカの大手 IT企業のグーグル社が、
ストレス低減と人材能力開発のために 社内で瞑想のプログラムを開発しました。
同じくアメリカの大手IT企業アップル社の 創業者であるスティーブ・ジョブズも、 瞑想の愛好家と言われていますね。
そういった認知が広まって、 アメリカで瞑想に興味を持つ方が増え、 日本にも広まってきたのだと思います。
──ヨガのクラスで瞑想も 行っているところもあります。 ヨガと瞑想のつながりとは?
本来、ヨガのゴールは瞑想なんです。
ヨガというと、 運動やボディメイクの一環として思われていますが、 それはポーズをとって体を整えるところだけが 切り離されて見られているに過ぎません。
瞑想を実践するための準備段階として、 エネルギーの流れを整える ヨガのポーズがあります。
段階を踏んでヨガをすることで、 瞑想をしやすい体にしていきます。
「マインドフルネス」と「瞑想」は似て非なるもの──「マインドフルネス」と「瞑想」は 同意語で語られることもありますが、 同じものなのでしょうか?
マインドフルネスと瞑想は、 似ていますが別物です。
両方に共通するのは 「今、この瞬間に集中している状態」 ということですね。
マインドフルネスは五感をしっかり使って、 「自分が今やっていることや、
今起こっていることに 集中している状態」のことを言います。
例えば、お茶を飲む、コーヒーを飲む、 ご飯を食べる、歩く、本を読む、などですね。
食べながら別のこと考えていたら、 それはマインドフルネスではありません。
食べることや食材に意識を集中して、 味覚や感触を味わいながら食べていたら、 マインドフルネスになります。
一方の瞑想は、 五感をシャットダウンさせて、 完全に「意識が内側に向いている状態」です。
集中する対象が、 外側ではなく内側にあります。 内側というのは、呼吸やイメージのこと。
例えば、 ハートの中心に光をイメージして、 そこに意識を集中させていく方法もあります。
なるほど、 意識が外に向くか内に向くかで 変わってくるんですね。
瞑想で内に意識を向けると、 どういったメリットが得られますか?
情報社会の今、 脳は目から入ってくるたくさんの 情報を処理することに大忙しです。
常に高速回転で「これは必要なのか」 「これはいらないのか」判断して、 常に五感が外を向いています。
例えば、 スーパーにお醤油ひとつ買いに行くだけでも いろんな種類があって、
それぞれの商品のデータ処理をして、 脳は無意識に疲れきっています。
そうやって忙しい日々を過ごしていると、 無意識のうちに常に何かを考えることが 「クセ」になってしまうんです。
しかし、考え続けて脳を酷使していると、 疲れやストレスの原因となって 心身に表れてきます。
瞑想によって考えることを止めて 脳を休ませる習慣を作ると、
「ストレスを感じづらい脳」に 変容していくのです。
そうなると集中力が高まり、 脳疲労も軽減されていきます。
目をつむって内側に意識を向けると、 どうしてもあれこれ余計なことを 考えてしまいそうなんですが……
「何も考えないようにしよう」と思うと、 考えてしまうもの。
「考えない」とか「無になろう」 とすることは手放しましょう。
はじめのうちは、 呼吸に集中する時間と 考えてみるといいかもしれません。
呼吸の流れをひとつひとつフォーカスしていると、 次第に呼吸の心地良さや 今この瞬間を味わえるようになり、 雑念は浮かびにくくなりますよ。
私も個人で練習するとき 1時間近く座ることもあるのですが、 それでも雑念がある日はあります。
そういう時は、 雑念になりがちな「その日のto do」など 後で考えることリストを作って一旦整理しますね。
最初は雑念があっても大丈夫。 必ずできるようになります。
「今」に集中する力によってどんな感情も俯瞰できるように
習慣化するためには、 どれくらいの頻度で瞑想をするのが よいのでしょうか?
平日はやらずに、 週末にまとめて瞑想するとします。
これでは、あまり意味がないんです。
毎日やることが重要で。
筋トレと同じなんですよ。
筋トレも、 YouTubeを見てみたり本を読んだりして 筋肉をトレーニングする秘訣(ひけつ)を学びますよね。
でもそれで終わってしまったら、 体は変わりません。
週に2、3回ほど定期的にジムに通って、 同じ練習をし続けます。
3か月くらい経ってようやく 体の変化が出てきますが、 瞑想も全く同じです。
筋トレと同じで、 やっただけ集中力や平穏さがついてきます。 瞑想は「脳の筋トレ」なんです。
短い時間でもいいので毎日やると、 「意識した時に、余計な思考がこない脳」を 作っていけます。
ですので、 週末に1時間瞑想するよりも、 毎日5分でもルーティン化した方がいいでしょう。
朝起きた後、 夕方家に帰ってきてから、 夜眠る前、
この3つの時間帯に瞑想をする人が多いですね。
毎日同じ時間帯に 5分や10分など短い時間から始めて、 まずは習慣化することが大事です。
ニーマル氏の瞑想レッスン
「瞑想をすると人間関係が変化する」 と耳にします。
瞑想をして余計な思考がこない 集中できる脳にすることと、
対人関係が好転することは、 全く別のプロセスのように思えるのですが……
私たちは1日に6万回の思考をしていると ハーバード大学の研究では言われています。
その思考の80パーセントは、 昨日と全く同じ思考だそう。
思考の80パーセントは、 過去や未来についてなんです。
すでに終わったこと、 もしくは先のことをあれこれ 考えていること、ありますよね。
私たちは「自動運転モード」と 呼んでいるのですが、
そうやって無意識のまま考えている状態で 1日のほとんどを過ごしています。
逆に、目の前にある 「今」この瞬間に集中して 思考を働かせている時間は、 20パーセント以下だと言われています。
瞑想をして「今」 この瞬間に集中できるようになると、 過去や未来への思考を切り離す 力が養われていきます。
そうすると「すでに終わったことを考える ループに入っていて、
また心が乱されている」とか、 「今自分は怒っている状態なんだ」と、
無意識のうちに出てきてしまう自分の ネガティブな感情に気づけるようになります。
瞑想は、いわば「気づき」のトレーニングなんです。
気づけるようになると、 「目の前の人に対して、 今感情的にイライラしても 何も解決しないから場所を変えよう」とか、
「深呼吸して意識を変えよう」など、 次第にストレスから自分を遠ざける 選択ができるようになっていきます。
瞑想をして、 変えられるのは自分だけ。
他人を変えることはできません。
他者からの言葉や外からの情報など、 外からの刺激に振り回されがちですが、
自分にストレスを与え、 苦しめていた根源が自分の思考のパターンや 捉え方であったことに気づければ、
自ずと仕事や人間関係にも変化が出てきますよ。
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