2024/10/6

がん細胞だけを 狙い撃ちする! 光免疫療法とは

 
 
 
 
 
 
 
 

がん細胞だけを

狙い撃ちする!

光免疫療法とは

 
 

日本人の死因1位「がん」。

 

今注目されているのが、安全で効果が高く、

体への負担が少ない「光免疫療法」です。

 

がん細胞だけを狙い撃ちして、

転移や再発を抑える効果も期待できる

最新治療について、

開発した医師の小林久隆さんにお聞きしました。

 

 

がん細胞だけを狙い撃ちする!光免疫療法とは

教えてくれた人:

小林久隆さん

 
 
 
 

教えてくれた人:小林久隆(こばやし・ひさたか)さん

1961(昭和36)年、兵庫県生まれ。京都大学医学部卒業。医学博士。

米国国立衛生研究所・国立がん研究所

(NIH・NCI)分子イメージングブランチ主任研究員。

光免疫療法の研究・開発によりNIH長官賞などを受賞。

2022年から関西医科大学附属光免疫医学研究所所長・特別教授も務める。

著書は『がんを瞬時に破壊する光免疫療法』。

 

 

 

がん細胞だけを狙って

攻撃する光免疫療法

 
 
 
 
がん細胞だけを狙って攻撃する光免疫療法
 
近赤外レーザー光発生装置。
 
近赤外線はテレビのリモコンにも
 
使われる安全な光

 

 

医師の小林久隆さんが

開発した光免疫療法は、

光に反応する薬を投与し、

 

薬ががんに十分集まったところで

近赤外線を照射して、

がん細胞だけを破壊します。

 

薬には、

狙ったがん細胞に結合する

“抗体”と光に反応する“IR700”

という物質が含まれています。

 

 

抗体はがん細胞にIR700を届ける、

いわば運び屋。

IR700は体に無害な物質ですが、

近赤外線の照射を受けると

光化学反応を起こして、

がん細胞を狙い撃ちします。

 

 

「がん細胞の膜に小さな穴が開き、

そこから周囲の水が流れ込んでくるため、

がん細胞はグーッと膨れ、

風船が割れるように破裂します。

 

顕微鏡で見ると、

このような反応がわずか20~30秒のうちに

起こるのです。

 

最初に見たときは本当に驚きました」

 

 

がん細胞だけを狙って攻撃する光免疫療法
(2枚とも写真提供/小林久隆さん)

 

 

光免疫療法で近赤外線を2分間照射した結果、

がん細胞(丸囲み部分)はしぼんで

細胞の影が消えていた。

 

一方、正常細胞には変化が見られなかった。

 

 

光免疫療法で

免疫細胞の働きも活性化

 
 
 
 
 

<参考:医学博士 小林久隆 >