2024/10/13

世界で年間約700万人が 脳卒中で死亡、この24年で 7割も増加した理由とは?

 
 
 
 
 
 
 

世界で年間約700万人が

脳卒中で死亡、この24年で

7割も増加した理由とは?


 
 
 
 
 

世界で年間約700万人が

脳卒中により死亡、

その数は増加傾向に

 
 

気候変動と食生活の悪化によって、

世界の脳卒中の発症率と死亡率が

劇的に上昇していることが、

 

オークランド工科大学(ニュージーランド)の

Valery Feigin氏らのグループによる

研究で示された。

 

2021年には世界で約1200万人が

脳卒中を発症し、

 

1990年から約70%増加していたことが

明らかになったという。詳細は、

 

「The Lancet Neurology」

10月号に掲載された。

 

 

本研究によると、2021年には、

脳卒中の既往歴がある人の数は9380万人、

脳卒中の新規発症者数は1190万人、

脳卒中による死者数は730万人であり、

 

世界の死因としては、

心筋梗塞、

新型コロナウイルス感染症に次いで

第3位であったという。

 

 

専門家は、

脳卒中のほとんどは予防可能だとの見方を示す。

 

論文の共著者の1人である米ワシントン大学の

保健指標評価研究所(IHME)の

Catherine Johnson氏は、

 

「脳卒中の84%は23の修正可能な

リスク因子に関連しており、

 

次世代の脳卒中リスクの状況を変える

大きなチャンスはある」と述べている。

 

 

脳卒中のリスク因子は、

大気汚染(気候変動によって悪化)、

過体重、高血圧、喫煙、運動不足などであり、

 

研究グループは、これらのリスク因子は全て、

低減またはコントロール可能であると指摘している。

 

 

脳卒中に関連する死亡者数は

何百万人にも上る一方で、

 

脳卒中を起こした後に重度の

障害が残る患者も少なくない。

 

今回の研究からは、

脳卒中によって失われた健康寿命の年数

(障害調整生存年;DALY)は、

 

1990年から2021年にかけて

32.2%増加していたことも明らかになった。

 

 

なぜ脳卒中が増加した?

 

では、なぜ脳卒中がここまで増加したのだろうか。

 

研究グループの分析によると、

多くの脳卒中のリスク因子に人々が

さらされる頻度が上昇し続けていることが

原因である可能性があるという。

 

本研究では、

1990年から2021年までの間に、

 

高BMI、気温の上昇、加糖飲料の摂取、運動不足、

収縮期血圧高値、

 

ω-6多価不飽和脂肪酸が少ない食事に

関連してDALYが大幅に増加したことが示された

 

(増加の幅は同順で、

8.2%、72.4%、23.4%、11.3%。6.7%、5.3%)。

 

 

Johnson氏らは、気温の上昇は、

もう1つの脳卒中のリスク因子である

大気汚染の悪化を意味していると説明する。

 

同氏らは、

「暑くてスモッグの多い日が脳卒中

リスクに与える影響を最も強く受けるのは

貧しい国である可能性が高く、

 

その影響は気候変動によってさらに悪化し

得る」と指摘する。

 

実際、出血性脳卒中のリスクに関しては、

現在、汚染された空気を吸い込むことは、

喫煙と同程度のリスクをもたらすと

考えられているという。

 

 

脳卒中全体に占める出血性脳卒中の

割合は約15%で、

虚血性脳卒中(脳梗塞)と比べると

大幅に低いにもかかわらず、

 

世界のあらゆる脳卒中に関連した死亡や

障害の5割が出血性脳卒中に起因するという。

 

 

 「脳卒中に関連した健康被害は、

アジアやサハラ以南のアフリカ

(サブサハラ・アフリカ)で特に大きい。

 

こうした状況は、

管理されていないリスク因子、

 

特にコントロール不良の高血圧や、

 

若年成人における肥満や2型糖尿病の

増加といった負担の増大と、

これらの地域における脳卒中の

予防およびケアサービスの不足によって

生まれている」とJohnson氏は指摘する。

 

 

 

 しかし、

こうした状況を変えることは可能であると

Johnson氏は主張する。

 

例えば、

大気汚染は気温上昇に密接に関連するため、

 

「緊急の気候変動対策と大気汚染を減らす

取り組みの重要性は極めて高い」と言う。

 

さらに同氏は、

「高血糖や加糖飲料の多い食事などの

リスク因子にさらされる機会が増えているため、

 

肥満やメタボリックシンドロームに

照準を合わせた介入が急務である」と述べている。

 

 

 

 

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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.thelancet.com/

journals/laneur/article/

PIIS1474-4422(24)00369-7/abstract

 

 

<参考: >