ステーキ、焼肉、豚しょうが焼き、
ハムに発がん性!?
発がんリスクのある食べ物1:
牛肉・豚肉などのお肉
近年、熟成肉、ジビエ、
羊肉などさまざまな肉ブームが起こっている。
しかし、
WHOのがん専門機関である、
国際がん研究機関(IARC)によると、
「赤肉」は大腸がんの危険因子に
なることがわかっている。
ではなぜ、
赤肉は大腸がんのリスクを
上げてしまうのだろうか?
それは赤肉に含まれる
ヘム鉄に関係している。
ヘム鉄とは、
鉄がプロトポルフィリンIXと結合して
形成される化合物だが、
ヘモグロビンとなり酸素を体に運ぶ
役割を持っている。
摂取することで貧血などの改善に繋がるが、
摂取過剰になると酸化作用が指摘されていて、
大腸がんの危険因子となってしまう。
また、
その他、動物性脂肪の消化における
二次胆汁酸、内因性ニトロソ化合物の
腸内における生成、調理の過程で
生成される焦げた部分に含まれる
ヘテロサイクリックアミンなどの
作用もがんのリスクになることがわかっている。
赤肉はたんぱく質やビタミンB、
亜鉛を摂取できる食材なので、
食べたらダメということではない。
また日本人は欧米に比べて、
もともと赤肉の摂取は少ないので、
それほど大腸がんの発生を
気にする必要はないが、
毎日食べ続けたりするなど
偏った食生活には気をつけたい。
世界がん研究基金(WCRF)と
米国がん研究協会(AICR)も
赤肉は大腸がんのリスクを上げることが
「確実」と判定しており、
赤肉は週500グラム以内(調理後の重量)
にすることを推奨している。
発がんリスクのある食べ物2:
ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉
加工肉とは牛肉や豚肉などを、
塩漬けや燻製、加熱など何らかの
加工処理をした肉製品のことだ。
要するにハムやソーセージ、
ベーコンのことである。
保存がきいて手軽に調理でき、
食卓に並ぶことが多い食材だ。
しかし、国際がん研究機関(IARC)によると、
加工肉はヒトにおいて「発がん性の
十分な証拠」がある場合に適用される
グループにカテゴライズされている。
これは、
加工肉も赤肉と同様に動物性脂肪の
消化における二次胆汁酸、
内因性ニトロソ化合物の腸内における生成、
調理の過程で生成される焦げた部分に含まれる
ヘテロサイクリックアミンなどが
大腸がんのリスクを上げると
指摘されているからである。
ランチにベーコンサンドイッチを
食べるくらいは問題ないが、
赤肉同様に過剰な摂取には気をつけたい。
前述の世界がん研究基金(WCRF)と
米国がん研究協会(AICR)も、
加工肉をできるだけ控えるようにと勧告している。
ハンバーガーのお供の
「あの食べ物」も
発がん性物質が生成されている
発がんリスクのある食べ物3:
フライドポテト、ポテトチップス
フライドポテトやポテトチップスは
手軽に食べられて、
おやつにもなるので、
大人から子どもまで人気のある食べ物だ。
残念だが、
これらにも発がんリスクがある。
アクリルアミドは主に接着剤や塗料、
化粧品(シェービングジェル、
整髪剤)などに用いられる化学物質で、
動物を用いた実験の結果、
大量に吸ったり触れたりすると
神経毒性や発がん性があることが確認された。
2002年4月、スウェーデン食品庁は、
ストックホルム大学と共同で行なった研究の結果、
炭水化物を多く含むじゃがいもや
穀類を高温で加熱した食品に
「アクリルアミド」が生成されるということを発表した。
「食品でそんな有害な物質が
生成されるなんて……」と、
このニュースは衝撃をもって受け止められ、
それ以来、各国で研究が進んだ。
日本では2016年4月に公表された
食品安全委員会の評価書において、
食品由来のアクリルアミドの摂取は、
神経毒など発がん以外の影響については
極めてリスクは低いとする一方、
発がんのリスクについては、
「ヒトにおける健康影響は明確ではないものの、
懸念がないとはいえない」としている。
食品の加熱はおいしさを形成するために
欠かせない調理法のため、
世界中の研究機関や食品会社では、
いかに「アクリルアミド」を少なくするかの
研究が続けられている。
フライドポテトを食べるときは
食べ過ぎに注意するように心がけたい。
ただ、本記事で紹介した3つの食品群も、
食べてはいけないということでは決してない。
ステーキもフライドポテトもソーセージも、
食べることでとても幸せな
気持ちになる人も多いだろう。
リスクを正しく理解して、
食べ過ぎに注意しながら
食生活を楽しむことが大切である。
<参考:百田なつき>