2025/8/1

脳の老化は「57歳、70歳、78歳」 の3段階でガクっと来る 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

脳の老化は「57歳、70歳、78歳」

の3段階でガクっと来る 

 

1万人以上の脳をAIで調査

ちょっと昔のInnovative Tech

 
 
 

 

 

このコーナーでは、

2014年から先端テクノロジーの研究を

論文単位で記事にしているWebメディア

Seamless」(シームレス)を主宰する

山下裕毅氏が執筆。

 

通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、

ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された

個性的な科学論文を取り上げる。

 

 

 

中国の復旦大学などに所属する研究者らが

2024年に発表した論文

Plasma proteomics identify biomarkers and

undulating changes of brain aging

 

は、人の脳画像と血液中のタンパク質を

詳しく調べることで脳の老化を調査した研究報告だ。

 

 

 

 
中国チームが脳の老化について調査

 

 

研究者たちは、

英国バイオバンクの1万949人の健康な

成人の脳画像データを使って、

 

AIによる脳年齢の予測モデルを作成した。

 

脳年齢とは、

脳の状態から推定される年齢のことで、

 

実際の年齢との差(脳年齢ギャップ)が大きいほど、

脳の老化が進んでいることを意味する。

次に、

4696人の血液中のタンパク質

(血漿プロテオミクスデータ)を詳しく調べた結果、

 

13種類のタンパク質が脳の老化と

深く関係していることが分かった。

 

 

特に重要なのは、

タンパク質の「ブレビカン」と「GDF15」だ。

 

 

ブレビカンが血液中に少ない人は

認知症や脳卒中になりやすく、

 

逆にGDF15が多い人もこれらの

病気のリスクが高いことが明らかになった。

 

 

この研究で最も興味深い発見の一つは、

 

脳の老化が一定のペースで進むのではなく、

波のように変化することだ。

 

 

57歳、70歳、78歳の3つの時期に、

血液中のタンパク質が大きく変化することが判明。

 

それぞれの時期で変化する

タンパク質の種類が異なり、

 

体内で起きている老化の

プロセスも違うことを示した。

 

 

 

 
1万人以上の脳画像データと血漿タンパク質解析により、
 
脳の老化が57歳、70歳、78歳の
 
3段階で急激に進行することを発見

 

 

(関連記事:

「44歳」と「60歳」の2段階で人の老化は一気に加速 

米スタンフォード大学などが24年8月に研究報告

 

 

57歳では代謝プロセスに関連する

タンパク質の変化が顕著で、

 

70歳では神経発達経路に

関連するタンパク質が変動し、

 

78歳ではJAK-STATシグナル伝達経路に

関連するタンパク質の変化を観察できた。

 

 

 

<参考:>