アルツハイマー型認知症は
ウイルスによって引き起こされる。
英経済誌『The Economist』に取り上げられた
研究が話題を呼んでいる。
この研究を率いた
マンチェスター大学のルース・イツハキ名誉教授に
インタビューを敢行。
脳に侵入し、炎症を起こす
ヘルペスウイルスは、
ほとんどの人が感染しているといわれる。
それなのに、
なぜある人はアルツハイマー病を発症し、
別の人は発症しないのだろうか。
その分かれ目はどこにあるのか。
イツハキ氏によれば、ポイントは二つある。
一つは「ウイルスの特性」、
もう一つは「遺伝的な要因」だ。
「ヘルペスウイルスは、
感染してもすぐに症状が
現れるわけではありません。
むしろ、長年『潜伏状態』にあり、
何らかのきっかけで活性化する
という性質を持っています。
若い頃に感染しても、
何十年も症状が出ないことが珍しくないのです。
さらに興味深いのが、
APOE4という遺伝子を持つ人は、
ヘルペスウイルスに感染するとアルツハイマーを
引き起こすリスクが高いということです。
詳しいメカニズムはまだわかっていませんが、
おそらく、この遺伝子がウイルスの活動を
促進しているのだと思います。
ちなみに、APOE4は日本人でも約10%が
保有しているとされる、
一般的な遺伝子です」(イツハキ氏)
アルツハイマー病の引き金としては、
単純ヘルペスウイルスだけではなく、
水痘・帯状疱疹ウイルスも関与している可能性が高い。
帯状疱疹は、
子どもの頃にかかる水ぼうそうのウイルスが
体内に潜伏し、
免疫力が落ちたときに再活性化して起きる病気だ。
このウイルスも脳に侵入し、
ヘルペスウイルスと同様の
ダメージを与えると考えられている。
実際、イツハキ氏らが'21年に発表した研究では、
帯状疱疹ワクチンを接種した人は、
アルツハイマー病のリスクが
低下することが示されたという。
