理想の呼吸は深い呼吸、
腹式呼吸
現代は、
生活習慣の変化やストレスの影響もあって、
多くの人が浅い胸式呼吸をおこなっています。
理想の呼吸は「たくさんの酸素を取り入れること」。
胸式呼吸は、
胸郭と呼ばれる肋骨に覆われた部分を拡張して
息を吸う方法ですが、
胸式呼吸を続けることで、
健全な心身を保ちにくくなります。
じつは、
胸式呼吸は酸素を十分に取り入れることができず、
体の隅々まで十分な酸素を供給できていない
可能性があるのです。
和儀の指導でおこなっているのは
「丹田呼吸」ですが、これは深い呼吸、
腹式呼吸でもあります。
イメージでいうと、
まず身体全体は脱力します。
次に、お腹がぺったんこになるまで息を吐き切って、
下腹に収縮感(丹田)を感じ、
吸うときはお腹にも背中にも空気を入れる呼吸です。
浅い呼吸は心身の健康に
悪影響を及ぼす
本来、腹式呼吸のようにしっかりとした呼吸で
酸素を身体中の細胞に運べば、
細胞質内の酸素がエネルギーを作ります。
もっといえば、
ミトコンドリア(クエン酸回路・電子伝達系)が
エネルギーを作るのに酸素を必要とするのです。
このエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)と言いますが、
筋肉の稼働、身体の代謝、DNA複製などに寄与します。
胸式呼吸によって十分に酸素が
取り入れられないということは、
細胞のエネルギー産生が減少し、
ATPの生成が滞るため、
身体全体の代謝が低下するということです。
そのため、
慢性的な疲労感や集中力の低下、
体温の低下、免疫力の低下など、
さまざまな不調が現れます。
また、それだけでなく、
浅い呼吸は交感神経を優位にしやすく、
ストレスを増幅させてしまいます。
胸式呼吸によって、
身体はつねに緊張状態となり、
副交感神経が働きにくくなるため、リラックスできず、
心身の疲労が蓄積されます。
その結果、
精神的な不安や焦りが増してしまい、
長期的には心身の健康に悪影響を
及ぼすリスクが高まるのです。
さらに、筋肉の緊張を助長し、
肩こりや腰痛、頭痛、消化不良などの
身体的な不調や睡眠の質を悪化させるなどの
作用を引き起こします。
これらの問題に対処するためには、
腹式による深い呼吸を意識することが重要です。
とくに、
丹田呼吸は、身体全体に酸素を効率よく供給し、
血流を促進するため、代謝が向上し、
疲労の回復が早まります。
浅い呼吸は
「百害あって一利なし」です。
これらの悪影響が積み重なることで、
健康寿命が短縮されてしまいます。
逆に、丹田呼吸により深い呼吸を実践することで、
心身の健康を保ち、
より質の高い生活を送ることが可能になります。
和儀を通して呼吸法を学ぶことで、
現代社会における多くの健康問題に対処し、
よりよい健康状態を維持する基盤を築くことができます。
現代社会こそ「古来の呼吸法」が効く
丹田呼吸は、深い腹式呼吸を通じて、
丹田(人間の氣が集まる箇所)に意識を
集中させながらおこなう呼吸法です。
この呼吸法を実践することで、
酸素の取り込み量が増え、身体的な効果として
血液循環が改善されます。
これにより、冷え性や低体温、肩こり、
腰痛などが緩和され、
全身の代謝が活発化します。
深い呼吸は、副交感神経を活性化させ、
リラックス効果を高めるので、ストレスが軽減されて、
不安感やイライラが減少し、精神的な安定感も得られます。
また、集中力や判断力が向上し、
日常生活や仕事においてもパフォーマンスが向上します。
さらに丹田呼吸は、
体幹の筋肉をきたえる効果もあります。
内臓の位置を正しく保つことで、
消化機能の改善や便秘の解消、肥満防止にも役立ち、
基礎代謝が上がるので痩せやすい身体になるでしょう。
体内の老廃物が効果的に排出されるため、
肌の調子がよくなり、
美容効果も期待できます。
和儀で取り入れる呼吸法は、
670年以上の歴史を持つ
狂言の技術をもとにしています。
また、その効果は医学的にも証明されています。
呼吸を変えるだけでこれほどの効果があることは、
私自身も驚きであり、
実生活に取り入れるべき価値が
十分にあると確信しました。
とくに、現代社会でストレスや
健康問題に悩む人々にとって、
この簡単で効果的な方法は非常に
有効な手段と言えるでしょう。
まさに丹田呼吸は「いいことずくめ」なのです。