
お菓子作りに欠かせない
「小麦粉」、その安全性は?
パンや麺類、さらにはケーキ、クッキー、
ホットケーキと洋風のお菓子に
欠かせない存在が小麦粉です。
最近は米の価格が高騰しており、
パンや麺類などの「小麦粉製品」の
登場回数が増えたという家庭も多いと思います。
私はよくお菓子を手作りする
お母さん・お父さんたちに
「小麦粉の安全性」について聞かれます。
「安心安全を目指して手作りをしているのに、
肝心の材料の小麦粉は安全なのか心配だ」
「小麦粉は国産のほうがいいのでしょうか」
「輸入品には添加物や農薬が使われていないのですか?」
などというものです。そこで今回は
「小麦粉の安全性」について考えてみたいと思います。
「うちは安全性を考えて小麦粉は国産を
使っています」という人がいます。
この国産表記ですが、
少し前にちょっと話題になった件があります。
それが「国内製造」という表示です。
つまり小麦粉の原材料表記に
「小麦(国内製造)」と書かれているものがあるのです。
これを見て「これは国産なのだ」と
思ってしまう人がいるのです。
みなさんはどう思いますか?
パッと見たら誤解してしまいそうですよね。
じつは「国内製造」と書かれている小麦粉は、
ほぼ100%「外国産」と思って間違いありません。
「輸入小麦」を国内加工すれば
「国内製造」となる
小麦粉の食品表示はまぎらわしいのです。
加工食品は最も多く使われる原材料について、
以下のようなルールがあります。
・加工原料の場合は「加工地」を表記する
というものです。
ここでいう「生鮮原料」とは肉や生野菜のような、
スーパーの「生鮮食料品」だけを指すのではなく、
大豆や小麦などの未加工の原料も入ります。
「小麦」は生鮮原料ですが、
「小麦粉」の場合は加工原料です。
本来ならすべての食品の産地を
表示すべきなのですが、
加工食品の場合は「原材料の産地を
すべて特定するのが困難」という理由で
「加工地」を表記すればいいということになっています。
小麦粉も「小麦を粉にした加工品」ですから、
加工地を表示すればいいわけです。
「輸入した小麦」を国内で製粉すれば
「小麦(国内製造)」と書けます。
しかし、
産地が特定できる場合は表示してもOKなのです。
特に国産小麦の場合はそれがウリになりますから、
しっかり書かれています。
その場合は「小麦粉(小麦(国産))」
などという表記になっています。
「小麦粉(小麦(北海道産小麦100%))」などと、
より強調した書き方をしているものもあります。
一方、
外国産の場合は避けられる傾向にあるので、
産地をあえて書かずに
「小麦粉(国内製造)」とのみ書かれることが一般的です。
いずれにしても「国内製造=国産ではない」
ので注意してください。
輸入小麦に使われる
「殺虫剤の安全性」
輸入小麦を不安視する人が多いのは
「ポストハーベスト問題」があるからでしょう。
ポストハーベストとは
「収穫後に使用される農薬」のことです。
輸送途中にカビが生えたり、
虫がわかないように使われます。
ポストハーベストの一番の問題は
「表示が不要」ということです。
どんな食品にどのぐらい使っていいのかという
「使用基準」もありません。
だから「裏側」で何を使っているかどうか、
私たち消費者には知る由もないのです。
ポストハーベストは
現在80種類ほどが認められています。
このうち、
よく使われるのが20種類ぐらいです。
小麦粉に使われるポストハーベストに
「マラチオン」という殺虫剤があります。
これは「毒性の高さ」が問題視されています。
しかし表示が不要なのですから、
「裏側」で使われているかどうかも、
私たちにはわからないのです。
外国の小麦には「プレハーベスト」といって
収穫直前に「除草剤」が散布されているケースがあります。
なぜ収穫直前に除草剤をまくのかというと、
枯らしてから収穫したほうが
効率がいいからという理由です。
この「プレハーベスト」に使われるのが
「グリホサート」です。
「グリホサート」は世界で最も多く
使われている除草剤で、
小麦に対しても多く使われています。
しかし、
この「グリホサート」は残留が多く、
発がん性を不安視する意見もあります。
私に言わせれば、
安全性は「黒」ではないけれど、
「真っ白」ともいえない「グレー」です。
ちなみに日本の小麦栽培においては
「ポストハーベスト」も
「プレハーベスト」も認められていません。
「ダブルスタンダード」がまかり通っているわけです。
おやつの小麦粉問題、
どうすればいい?
では「安全性の高い小麦粉」を
使いたいならどうすればいいでしょうか。
「国産小麦」か「有機JAS農業のもの」を
買うしかありません。
「裏ラベル」である「原材料表示」を
よく見て買いましょう。
しかし、
日本で消費されている国産の小麦粉は、
わずか1割程度。
国産小麦の生産量は増えてはいますが、
現状においてはほとんどが輸入小麦です。
最近は物価が高くなりましたが、
それでも「リースナブルな値段で買えるお菓子」は
輸入小麦が使われているものが大半です。
そうであれば、
やはり「安心できる材料」を
使って手作りするのが一番ではないでしょうか。
そしてお菓子は必ずしも
小麦粉を使う必要はありません。
米粉を使ったり、ご飯を使ったり、
サツマイモやフルーツ、ゼリー、
卵を使ったものでもいいわけです。
そのほうがバリエーションも広がります。
私が長年かけて「無添加×安心×美味しい」
「軽食・おかずにもなる」を
コンセプトに考案した「安部おやつ」には
「小麦粉を使わないおやつ」もたくさんあります。

米粉を使った「米クドチーズケーキ」
「大人の珈琲小豆ゼリー」「新食感!
お麩ラスク」など、
小麦粉を使わないヘルシーな
お菓子もたくさん紹介しています。

ご自身はもちろんのこと、
お子さんや家族には「安全なおやつ」を
食べさせてあげてください。
