地球の黎明期「冥王代」
先カンブリア時代(約46億~5億3900万年前)のうち、
約46億~40億年前の地質年代を冥王代といいます。
地球は、今から約46億年前に、
微惑星(直径10km程度の小天体)が
衝突・合体をくり返して誕生しました。
微惑星の衝突によって熱が発生したため、
地球は高温となり、
地球表面の岩石は融けてマグマとなっていました。
地球の表面全体を覆っていたマグマを
「マグマオーシャン」といいます。
マグマオーシャンの中で、
密度の大きい鉄は内部に沈んでいき、
核を形成しました。
一方、密度の小さい岩石成分は上昇して
マントルを形成しました。
このように、
地球内部の層構造は冥王代に形成されていきました(図2-6-1)。

また、
微惑星には水や二酸化炭素が含まれていたため、
微惑星が衝突したときに
水や二酸化炭素が気体として放出され、
地球の大気を形成しました。
水蒸気や二酸化炭素を主成分とする
地球の初期の大気を原始大気といいます。
地球に衝突する微惑星が少なくなり、
地球の温度が低下すると、
地球表面のマグマが冷え固まり、
地殻を形成しました。
また、
大気中の水蒸気は凝結して雨となって降り、
原始海洋が形成されました。
原始海洋は今から約40億年前に
形成されたと考えられています。
海が形成されると、
大気中の多くの二酸化炭素は海に吸収されました。
海水中で二酸化炭素はカルシウムイオンと
結合して炭酸カルシウムとなり、
海底に堆積して石灰岩となりました。
このようにして大気中の二酸化炭素は
リソスフェアに固定されたため、
大気中の二酸化炭素濃度は減少していきました。
地球最古の岩石が残る
「太古代」
約40億~25億年前の地質年代を太古代といいます。
地球上で見つかっている最古の岩石は、
今から約40億年前の
片麻岩(カナダ北部のアカスタ片麻岩)です。
地球上には冥王代の岩石は存在しませんが、
太古代の岩石は大陸の内部に残されています。
グリーンランドからは約38億年前の
礫岩や枕状溶岩が見つかっています。
礫岩は水によって侵食されてできた
礫が海底などに堆積してでき、
枕状溶岩は海底などで
マグマが水中に噴出してできます。
つまり、
どちらも形成されるためには水が必要ですので、
約38億年前の礫岩や枕状溶岩は、
この時代にすでに海が
存在していたことを示しています。
生命の起源についてはまだ
解明されていないことが多くありますが、
今から約40億年前に生命活動が
始まったと考えられています。
これは、「生物に由来する炭素」が、
堆積岩を起源とする約40億年前の
変成岩の中から見つかっているからです。
炭素の安定同位体には、
質量数12の炭素(<sup>12</sup>C)と
質量数13の炭素(<sup>13</sup>C)があります。
生物が二酸化炭素から有機物をつくるときには、
質量数12の炭素を多く取り込む性質があるため、
炭素を含む物質が生物に
由来するものかどうかを推定できるのです。
生物の外形を残す最古の化石は、
西オーストラリアから発見された
約35億年前の原核生物の化石です。
原核生物とは、
核を持たないシンプルな細胞構造の生物です。
現在の海嶺付近の海底には
熱水が噴出する熱水噴出孔があり、
その周囲では酸素のない環境でも
生息できる微生物の存在が確認されています。
太古代初期の海には酸素がほとんど
存在しなかったため、
このような微生物が最古の
生命ではないかと考えられています。
今から約27億年前には、
地球上で初めて酸素発生型の
光合成を行う原核生物の
シアノバクテリアが出現していました。
シアノバクテリアの光合成によって、
海水中に酸素が放出されるようになりました。
シアノバクテリアの遺骸は海水中の
炭酸カルシウムなどと固定されて、
直径数十cmのドーム状の岩石となります。
この岩石を「ストロマトライト」といいます。
ストロマトライトは、
全体的にはドーム状に膨らんだ形をしていますが、
積み重なるように成長したため、
断面には層状の構造が見られます。
シアノバクテリアは現在の海にも生息し、
オーストラリアのシャーク湾では、
現在でもストロマトライトが形成されています。
