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1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
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RupanPart-1 by サロンデイレクター
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2023/12/27
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「北極の氷がとけたら日本で何が起こる?」 北極研究者が考える影響とそのワケ |
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「北極の氷がとけたら日本で何が起こる?」北極研究者が考える影響とそのワケ日本からおよそ5000キロの距離にある氷の世界、 北極。 「とてつもなく遠い場所」「年中氷に覆われた地域」 「ホッキョクグマのいるところ」 ――みなさんはどんなイメージを持っているでしょうか。
私たちにとって必ずしもなじみが深いとは 言えない北極ですが、 実は、 国内では新しい北極域研究船の建造計画が進むなど、 今研究者たちの“熱視線”が注がれています。
なぜ彼らは北極に注目するのか、 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 北極環境変動総合研究センターの 菊地隆センター長に話を聞くと、 その背景には地球環境における北極の役割や、 温暖化との関連があるようです。
北極の氷がとけたら日本で何が起きるのかという 難しい疑問も含め、 たっぷりとお話を伺いました。
![]() 菊地隆センター長(2009年の北極点近くでの 氷上キャンプにて) 北極は地球の「ラジエーター」 北極は地球や海洋を研究する上で どんな意味を持っているのでしょうか。
菊地隆さん※以下敬称略: 北極は地球温暖化の最先端と言えます。
具体的に見ていくと、 まず地球全体をひとつの熱システムとして見た場合、 熱帯域が「エンジン(熱源)」で、 北極と南極は「ラジエーター(冷熱源)」 に例えることができます。
自動車のエンジンも、 冷却水を入れたラジエーターによって、 オーバーヒートを防いでいますよね。
それと同じように、 熱帯が受けた熱が極方向に移動して、 北極と南極で冷やされる。
そのバランスが保たれることで、 現在の地球環境の気候が成り立っています。
そもそも、なぜ北極と南極は冷たいのですか?
菊地:ひとつの理由は、 太陽からの熱のインプットが少ないことです。
夏は白夜になりますが、 太陽の高度はそれほど高くないです。
逆に冬には一日中太陽が出てこない「極夜」になり、 入ってくる太陽の熱はゼロになりますからね。
でも、 極地が冷たい環境を保てる理由は それだけではありません。
極地では表面が白い雪氷に覆われているために、 入ってくる熱を反射してしまうんですね。
ラジエーターの役割を効果的に果たすためには、 この雪氷の存在が必要不可欠です。
なるほど、 温暖化で極地の雪や氷が減少すると、 地球を冷やす役割が弱くなるので、 ますます温暖化が進むわけですね。
北極と南極には何か違いがあるのですか?
菊地:同じラジエーターでも、 その実態は大きく異なります。
北極は真ん中が海(北極海)で、 まわりに陸地がある。南極は逆に真ん中が陸地で、 まわりが海。これが根本的な違いを生んでいるんです。
というのも、 南極は南緯90度から70度ぐらいまで 広がる大きな陸地で、 そこに長期にわたり降り積もった雪が 平均2000メートルの厚さの氷床となって 覆っています。
厚いところでは4000メートルにもなる。一方、 北極の氷は海水が凍って浮かんでいるだけなので、 そんな厚さにはなりません。
氷が折り重なっているところでも、 せいぜい10〜20メートル。
昔は平均で3〜4メートルとされていましたが、 いまは1〜2メートルと言われています。
また海氷は少しとは言え割れているところもあって、 そこは海水面がでて大気を暖めてしまいます。
そのため、 平均気温は南極がマイナス50度程度なのに対して、 北極はマイナス20度程度。
同じラジエーターでも、その強度はまるで違います。
![]() 海水面の露出によって大気が暖められてしまう また、たとえば氷が1メートルとけたとしても、 ラジエーターの役割として平均2000メートルもある 南極の氷床にとっては痛くもかゆくもありませんが、 北極では致命的。
海水面が現れると太陽の熱を吸収し、 温暖化が加速します。ラジエーターとしては、 北極のほうがはるかに脆弱で壊れやすいんです。
したがって北極は、 温暖化の影響をより受けやすいと言えます。
地球温暖化が進む中で、 もっとも気温上昇が激しいのが北極なんですよ。
その上がり具合は、全球平均の約3倍。
産業革命以降、地球全体の平均として 1度以上の気温上昇が起きていると言われていますが、 北極域では既に3度以上気温が上昇しているのです。
さらに南極と違って、 北極の場合はまわりの陸地に たくさん人が住んでいるので、 その意味でも温暖化の影響は深刻です。
たとえば雪や氷がなくなると 動植物にも影響が出ます。
そして現地の人たちが食べるものも変わります。
永久凍土がとけると地盤がゆるむので、 建物が傾いたり道路が壊れたりもします。
地球温暖化の影響が既に目に見える 形で現れてきています。
──私たちが想像する以上に地球温暖化による 問題が顕著に現れているのですね。
菊地:そうですね。
ほかにも、たとえば太平洋には海水面の上昇で ピンチに陥っている島などがあります。
これらの地域とともに、 北極は地球温暖化に伴う激しい 変化にさらされています。
また急速に状況が変わるので、 その理解のためにはどこよりも高い頻度で 調査する必要があります。
北極で起きていることは地球全体の変化と 密接に関係しているので、 地球全体の環境変化や温暖化の 影響を知る上でも、 たいへん重要な研究テーマです。
北極の変化は、 日本列島周辺にはどのような影響を及ぼすのでしょう。
菊地:北極は温暖化の最先端ですから、 そこで起きたことはいずれ日本を含めて 世界中で起きる可能性があります。
たとえば、 海洋酸性化がいち早く起きたのは北極海。
海が酸性化すると炭酸カルシウムが とけやすくなるので、 いま北極海では殻を持つプランクトンが 危機に瀕しています。
実際、ある研究航海で、 北極で採取した海水にクリオネのエサになる ミジンウキマイマイという殻を持つプランクトンを 入れる実験をしたところ、 可哀想ですが10日ぐらいで殻が ボロボロになって死んでしまうという結果になりました。
同じことが日本周辺の海でも起これば、 生態系が変化して漁業などにも 影響が出る可能性はありますよね。
![]() 正常のミジンウキマイマイ ![]() pHの低い中層の海水を使った飼育実験。 ミジンウキマイマイの殻がとけている様子がわかる また、氷が少なくなったせいで、 北極海は「蓋」が外れたような状態になっています。
そのため、風が吹くと以前よりも波が 立ちやすくなりました。
その影響で海岸浸食が進み、 アラスカ沿岸の村が高潮によって 潰れて移住を余儀なくされたりしています。
これも同じことが世界各地で起こる可能性があるので、 海水面の上昇や高潮・波浪の変化と 影響などを知るために、 北極は注目すべき場所の一つです。
北極の氷がとけると、日本に何が起こる? ──北極の海氷は今後もどんどん 薄くなっていくのでしょうか?
菊地:海氷がとけると、 海水面が現れます。
海水面は白くないため太陽の熱を反射しません。
そのため温められて海水温が上がります。
このことはさらに海氷をとけやすくします。
そういう正のフィードバックがかかってしまうので、 海氷減少が、 そして北極の温暖化が加速しているのです。
──もう後戻りができないような状態なのでしょうか。
菊地:北極海の海氷減少については、 臨界点を超えていると言われています。 先にお話ししたフィードバックなどが 効いていることも大きな要因です。
もちろん温暖化対策がどこまで 進むかにもよりますが、 現時点での予測モデルでは、 今世紀の中頃には夏に氷が 完全になくなる年が出ると計算されています。
その先の予測は精度が低いので 憶測レベルの話ではありますが、 このまま温暖化が続くようであれば、 2300年頃までに冬でも北極の氷が なくなるという説もありますね。
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