2025/12/20

脳科学者が教える 「誰かと一緒にいる意味」。 なぜSNSでは心が 満たされないのか?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

脳科学者が教える

「誰かと一緒にいる意味」。

なぜSNSでは心が

満たされないのか?

 
 

 

 

 

 

Image: Shutterstock
 
 

 

私たちは今、

かつてないほど

「つながっている」はずなのに、

なぜか孤独を感じています

 

 

スタンフォード大学などで

教鞭をとる彼が指摘するのは、

私たちの脳における「社会性」の

メカニズムです。

 

 

なぜ孤独は体に悪いのか?

なぜZoomやチャットは、

直接会うことの代わりにならないのか?

 

その答えを知ることは、

現代の「孤独の疫病」への対策になるだけでなく、

私たちがより良く働くためのヒントにもなるはずです。

 

 

この記事ではそんなBen Rein氏の著作から、

5つの重要な洞察を紹介します

 

 

 

 
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1. そもそも、脳は

「つながる」ように設計されている

 
 

人間はつながるように配線

(Wired)されている」という

言葉をよく耳にしますが、

これは単なる比喩ではありません。

 

 

太古の昔、

私たちの祖先は食糧不足や

外敵といった凄まじい脅威にさらされていました。

 

一人では生き残れない過酷な環境下で、

もっとも生存に適していたのは

「集団で協力できる人間」でした。

 

 

その結果、

私たちの脳には「社会的報酬システム」が

組み込まれたのです。

 

誰かとつながると、

脳内では以下のような

神経伝達物質が放出されます。

 

 

  • ドーパミン: 快楽や意欲を感じさせる
  • セロトニン: 精神を安定させる
  • オキシトシン: 安心感や信頼感を高める
 
 

これらが「心地よい」と感じさせることで、

私たちはまた誰かと関わりたいと思うようになります。

 

 

この脳の仕組みこそが、

数千年にわたって人類をつなぎ止め、

生き延びさせてきた「接着剤」なのです。

 

 

 

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2. 孤独という名の

「公衆衛生上の危機」が迫っている

 
 

しかし今、私たちは深刻な事態に直面しています。

 

人々と過ごす時間、友人の数、

孤独感といったデータを追うと、

すべての指標が悪化の一途をたどっています

 

特に衝撃的なデータがあります。

 

2013年から2021年の間に、

平均的なアメリカ人が一人で過ごす時間は、

月に36時間も増加しました。

 

 

これは、

ほぼフルタイムの労働1週間分に相当します。

 

私たちは、

文字通り「孤立」し始めているのです。

 
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3. 孤独は単なる感情ではなく、

身体への「ストレス」

 
 

孤独を感じるとき、

体の中では何が起きているのでしょうか。

 

 

実は、

ストレスホルモンである「コルチゾール」

のレベルが上昇しはじめます

 

進化論的に見れば、これは理にかなっています。

 

かつて集団から離れることは「死」を意味しました。

 

だから脳はアラームを鳴らし、

「危険だ! 群れに戻れ!」と警告するのです。

 

 

問題は、

現代社会では物理的な危険がないにもかかわらず、

一人の時間が長すぎることで、

この警報システムが鳴りっぱなしになってしまうこと。

 

 

慢性的なストレス反応は炎症を引き起こし、

健康に深刻な悪影響を及ぼします

 

数百万人のデータを追跡した研究では、

以下のような恐ろしい結果が出ています。

 

 

  • 死亡リスクの増大:
  • 社会的に孤立している人は、
  • あらゆる原因による死亡率が32%高くなる。
 
 
  • 認知症の進行:
  • 孤立した認知症患者は、
  • 記憶の喪失スピードが2倍速くなる。
 
  • 心臓発作後の生存率:
  • 退院後に一人暮らしの家に戻った患者は、
  • その後3年以内の死亡率が2倍以上になる。
 
 
 

「寂しい」という感情は、

もはや個人の問題ではなく、

命に関わる健康リスクとして捉える必要があります。

 

 

 

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4. オンラインの交流は、

リアルの代替品にはなり得ない

 
 

「でも、毎日チャットもしているし、

Zoom会議もしているから大丈夫」と思っていませんか?

 

残念ながら、

脳にとってはそうではありません

 

 

対面で会うとき、私たちは相手の声のトーン、

表情の微細な変化、ボディランゲージなど、

 

無数の「社会的合図(ソーシャル・キュー)

を受け取っています。

 

脳はこれらの情報を処理して、

相手の感情を理解します。

 

 

しかし、テキストメッセージやオンライン通話、

あるいはSNSでの議論では、

これらの情報が欠落してしまいます。

 

 

私が懸念しているのは、

これがオンライン上での「共感力の欠如」

につながっていることです。

 

相手の感情が読み取れないため、

不必要に敵対的になったり、

攻撃的になったりしてしまう

 

 

はっきりしているのは、

オンラインの交流は対面と

同じ利益をもたらさないということ。

 

皮肉なことに、

ソーシャルメディアは、

ちっとも「ソーシャル(社会的)」

ではないのかもしれません。

 

 

 

 

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5. 脳の「バグ」が、

あえて孤独を選ばせようとする

 
 

ここまで読んで

「友達と会わなきゃ」と思ったとしても、

週末になるとつい

「やっぱり家でNetflixを見ようかな」と

思ってしまうこと、ありませんか?

 

 

実はこれも、

脳のちょっとしたバグのようなものです。

 

 

研究によると、

私たちは以下のことを誤って

見積もる傾向があります。

 

 

  • 楽しさの過小評価:
  • 「人と会うことがどれだけ楽しいか、
  • 脳にとって良いことか」を低く見積もってしまう。
 
 
  • 好意の過小評価:
  • 「他人が自分をどれだけ好意的に思っているか、
  • 自分の社交スキルがどれだけ通用するか」を
  • 低く見積もってしまう。
 
 

 

 

「行けば楽しいとわかっているのに、

腰が重い」。

 

これは人間の脳に備わった、

奇妙ですが自然な欠点です。

 

 

このバグに気づいていれば、

一歩踏み出す勇気が湧いてくるはずです。

 

私たちの脳は、

本能レベルで「リアルなつながり」を

求めているのですから

 

 

<参考: 著者Fast Company