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2025/7/31
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113年間、 科学者とネコ好きを悩ませた 「茶トラ猫の謎」が 最新研究で明らかに |
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113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに
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茶トラ猫や三毛猫のオレンジ系の毛色を作り出す 遺伝子の変異は猫の性別とも結び付いている
<これまで謎だったオレンジの毛の仕組み、日米の研究者がカギを握る「オレンジ遺伝子」を特定した>茶トラ猫の鮮やかなオレンジ色の毛並みと サビ猫のオレンジ色がかった 茶色と黒が複雑に交ざる模様、
その仕組みを解き明かす遺伝子の秘密は 1世紀以上もの間、 科学者と猫好きを悩ませ続けてきた。
1912年に初めて理論として提唱された この謎の遺伝子的カギが、
日本とアメリカの科学者チームが それぞれ昨年11月に公表した 研究によって、ついに特定された。 独立した2つの研究は オレンジの毛色に関わる遺伝子、
通称「オレンジ遺伝子」の正体を突き止めた。
ARHGAP36だ。
この発見は113年前の 仮説を証明するだけでなく、
色素に関する新たな 生物学的経路を明らかにしている。
1912年、 アメリカの遺伝学者クラレンス・クック・リトル (C. C. Little)は、
結び付ける画期的な説を提唱した。
リトルの仮説によれば、 オレンジの毛色を決めるのは X染色体にある遺伝子の変異だ。
茶トラ猫がほぼオスばかりで、 サビ猫がほとんどメスなのは、 これによって説明がつく。
つまり、 性染色体がXYのオスの場合、 毛色はオレンジ色になるか、 ならないかの2択しかない。
一方、性染色体がXXのメスは、 それぞれのX染色体の遺伝子を 受け継ぐ可能性があり、 サビ模様になる。
2つのX染色体に 「オレンジ遺伝子」が必要なため、 茶トラのメス猫は比較的 まれにしか生まれないという。
「オスのサビ猫や三毛猫は時に存在するが、 その原因は通常、
不妊を引き起こすX染色体の過剰など、 性染色体数の異常だ」。
シドニー大学とミズーリ大学コロンビア校の 科学者らは学術系ウェブサイト、
その肝心のオレンジ遺伝子が ARHGAP36だと、 ようやく判明したわけだ。
日米の研究によれば、 ARHGAP36の欠失という変異が、
関連タンパク質の 毛包発育期の働きに作用する。
ARHGAP36はオレンジ色の部分で 活発な活動を続ける一方、
非オレンジ色の部分ではおおむね オフ状態になる。
欠失変異は問題のタンパク質を変化させないが、 活動部位に大きな影響を与え、 あのオレンジ色を発現させるという。
「毛色を研究すれば、 細胞間の情報伝達について学ぶことができる。
色素の明るさや暗さを決める 色素細胞の作用は、
近接する細胞が送る信号に 影響されているからだ」。
アメリカ側の研究の筆頭筆者で、 スタンフォード大学の 遺伝学者クリストファー・ケーリン (Christopher Kaelin)は本誌にそう語る。
共同執筆者であるスタンフォード大学の 遺伝学者、ケリー・マゴーワン (Kelly McGowan)に言わせれば、
猫は特殊なケースで、 研究対象として価値が大きい。
「犬や羊、牛、馬、ウサギなど、 多くの家畜にオレンジ系の色をした 種類が存在する。
これは、 2つの遺伝子のうち1つの変異によるものだ」と、 マゴーワンは語る。
「こうした法則の興味深い例外が 茶トラ猫で、
変異が性別と結び付いている。
茶トラ猫は、 いわば遺伝学的ユニコーンだ」
マゴーワンによれば、 それだけではない。
「研究が示すように、 猫のオレンジ色を発現させる変異は、
色素細胞の内部だけで特定の遺伝子の スイッチを入れる。
その他の細胞型は影響を受けないようだ。
ある数年前の研究によると、 ヒトの場合は同じ遺伝子が 他の細胞型で活性化すると、
極めて深刻な疾患を引き起こし、
患者の軟部組織(筋肉や腱、靭帯)は 徐々に骨化してしまう」 猫の柄は不思議だらけ茶トラ猫は何千年も前から生息している。
古代エジプトの墳墓の装飾にその姿があり、 一部の猫のミイラは茶トラ猫だったとみられる。
「ハリー・ポッター」シリーズをはじめ、 現代のポップカルチャーにはよく登場するが、 ネコ科でオレンジの毛色は より珍しいという事実に変わりはない。
オレンジ遺伝子の特定は、 色素生物学分野の新たな経路を示している。
ARHGAP36は従来、 毛包発達に果たす役割が知られていた。
色の形成への関与は新発見だ。
今回の2つの研究はいずれも査読前で、 bioRxiv(バイオアーカイブ)で公開されている。
次のステップは何か。 日本側の研究の共同執筆者、 九州大学高等研究院の 佐々木裕之特別主幹教授はこう語る。
「次に浮上する問いは明らかだ。 問題の遺伝的変異はいつ、 どこで発生し、どのように拡散したか。
私たちの研究が示したように、 この変異はオレンジ色の毛を持つ 世界各地の猫に共通している」
ネコ科の模様のさらなる謎を解明したいと、 ケーリンは言う。
「模様の形成の研究にとって、 猫は格好の例だ。
今回は三毛猫に注目したが、 より典型的な模様にも関心がある。
まだら模様や縞模様や斑点は、 猫とその野生界の親戚を象徴する特徴だから」
<参考文献>
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